前立腺肥大に対するCVP治療の内視鏡画像
「従来の前立腺肥大症の手術では約90%の確率で、逆行性射精が起こりました。逆行性射精とは射精した瞬間に精液が膀胱に戻る現象をいい、健康被害はありませんが、性的な快感に影響を与えることがあります。CVP治療の際、逆行性射精が気になるようなケースでは射精管や膀胱出口部付近の組織をできるだけ蒸散させないよう注意しながら治療しています」(田中医師)
他方、前立腺肥大症治療後、約10%の確率で過活動膀胱による排尿障害が見つかるが、これも従来の薬物治療に加えてボトックス療法や仙骨刺激療法など、新しい治療法が開発されている。
男性も尿漏れに対して恥ずかしがらず、早期の泌尿器科の受診が快適な生活へと繋がっていく。
取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2023年12月1日号
田中伸之・慶應義塾大学病院泌尿器科医師