違いは…
“働き方改革”で手抜きが増える
〈4人の本音から浮かび上がったのは、医師たちに全力を尽くしてもらえるかどうかは“患者にかかっている”ということ。いまですら、片手間になってしまう患者がいるなか、2024年4月から導入される「医師の働き方改革」により、さらに“手抜き”せざるを得ない状況が発生するかもしれない。
同制度は医師の長時間労働を問題として、時間外・休日労働は原則、大学病院などの勤務医が年960時間、地域医療の確保や医師のスキル向上に必要な医療機関で働く医師は年1860時間を上限とするものだ〉
B子:うちは個人のクリニックだから、働き方改革はあまり関係ないですが、みなさんはどうですか?
C夫:確かに医師の職場は限りなくブラック。2022年5月にも神戸の病院に勤務する若い医師が過労で自殺する事件もありましたし、制度によって縛りができることは賛成です。
A男:ただ、医師が不足している地域では、診療時間を減らしたり救急外来をなくしたりせざるを得ず、「手抜き」しなければ回らないような状況が発生するかもしれない。
D美:働き方改革が行われても医師不足が解消されるわけじゃないですし、患者さんと向き合う時間はますます減ると思います。特に意思疎通がうまくできない患者さんは今後さらに厳しいでしょうね。
A男:確かに、コミュニケーションがしっかり取れる患者さんは本当にありがたい。だけど単におしゃべりすれば医師と仲よくなれると思って、井戸端会議的な話ばかりされると困ってしまう。もちろん、不安や疑問点があれば質問することは大事です。
D美:その通り。加えて私は母子手帳にカバーをつけて、丁寧にメモをとっているような人には好感が持てます。
B子:症状の発症や経過を時系列でメモしてくる患者さんや、診療時に必要なことをノートに書き込んでおいてくれる患者さんはその後のやりとりもスムーズで、本当に助かります。