国内

岸田首相に追い込まれた最大派閥・安倍派が進める逆襲の準備 野党に岸田氏の医師会献金問題を追及させ、主流3派の大炎上を狙うか

3月の自民党大会は大荒れになるか(時事通信フォト)

3月の自民党大会は大荒れになるか(時事通信フォト)

 東京地検特捜部による捜査が進む安倍派の裏金問題。政権の支持率は急落したが、岸田文雄・首相は今回の騒動を奇貨として、「数の力」で大きな影響力のあった安倍派議員を政権の要職から一掃。それによる政権維持を目論んでいる。また、特捜部が安倍派議員らへの事情聴取に乗り出していた昨年12月20日、岸田首相は国民が支払う医療費の積算根拠となる「診療報酬」の本体部分引き上げを決定した。診療報酬引き上げは、自民党の「最大最強のスポンサー」と呼ばれる日本医師会が強く要求してたものであり、岸田首相ら主流派が、医師会に擦り寄っているとの指摘もある。だが、事はそう簡単に進むはずがない。通常国会を前に、恨みを募らせた安倍派の「死なばもろとも」作戦が迫っている──。【前後編の後編。前編から読む

献金後に引き上げを決定

 診療報酬の改定は2年ごとに行なわれるが、岸田首相は前回の改定時に日本医師会から巨額の献金を受けている。

 2021年の改定では政府は当初、診療報酬を0.4%引き上げる方針だったが、医師会側はさらなる上乗せを要求して激しい陳情を展開した。

 折しも自民党では菅義偉・前首相が退陣表明し、改定は次の首相の判断に委ねられることになった。同年9月29日に行なわれた自民党総裁選は事前の予想では岸田氏と河野太郎氏のどちらが勝つかわからない情勢だったが、決選投票で岸田氏が新総裁に選出され、総理就任が確定すると、日本医師連盟はその日のうちに岸田首相の資金管理団体「新政治経済研究会」にポンと1000万円を献金したのである。

 タイミングから見ても、診療報酬改定を睨んだ“就任祝い”だったことは容易に想像できる。

 日本医師連盟に献金について聞くと、「法律に従い適正な政治活動を行なっております」と答えた。

 岸田事務所は「政治資金は法令に従い適正に処理し、その収支を報告している」と回答した。

 法令に従うのは当たり前だ。だが、診療報酬改定の結果を見ると、献金の効果はてきめんだったことがわかる。

 就任したばかりの岸田首相は医師会の要求通り診療報酬を上乗せして0.43%の引き上げを決定、「岸田裁定」と呼ばれた。この年の岸田首相への医師会関係団体からの献金総額は合計1400万円にのぼり、前年の250万円から5倍以上に急増した。

“こんなにおいしいのか”──首相がそう思ったとしても不思議ではない。

 今回の診療報酬改定は前回以上に揉めた。医師会と財務省の大バトルとなったからだ。

関連記事

トピックス

お笑いコンビ「ガッポリ建設」の室田稔さん
《ガッポリ建設クズ芸人・小堀敏夫の相方、室田稔がケーブルテレビ局から独立》4月末から「ワハハ本舗」内で自身の会社を起業、前職では20年赤字だった会社を初の黒字に
NEWSポストセブン
”乱闘騒ぎ”に巻き込まれたアイドルグループ「≠ME(ノットイコールミー)」(取材者提供)
《現場に現れた“謎のパーカー集団”》『≠ME』イベントの“暴力沙汰”をファンが目撃「計画的で、手慣れた様子」「抽選箱を地面に叩きつけ…」トラブル一部始終
NEWSポストセブン
母・佳代さんのエッセイ本を絶賛した小室圭さん
小室圭さん “トランプショック”による多忙で「眞子さんとの日本帰国」はどうなる? 最愛の母・佳代さんと会うチャンスが…
NEWSポストセブン
春の雅楽演奏会を鑑賞された愛子さま(2025年4月27日、撮影/JMPA)
《雅楽演奏会をご鑑賞》愛子さま、春の訪れを感じさせる装い 母・雅子さまと同じ「光沢×ピンク」コーデ
NEWSポストセブン
自宅で
中山美穂はなぜ「月9」で大記録を打ち立てることができたのか 最高視聴率25%、オリコン30万枚以上を3回達成した「唯一の女優」
NEWSポストセブン
「オネエキャラ」ならぬ「ユニセックスキャラ」という新境地を切り開いたGENKING.(40)
《「やーよ!」のブレイクから10年》「性転換手術すると出演枠を全部失いますよ」 GENKING.(40)が“身体も戸籍も女性になった現在” と“葛藤した過去”「私、ユニセックスじゃないのに」
NEWSポストセブン
「ガッポリ建設」のトレードマークは工事用ヘルメットにランニング姿
《嘘、借金、遅刻、ギャンブル、事務所解雇》クズ芸人・小堀敏夫を28年間許し続ける相方・室田稔が明かした本心「あんな人でも役に立てた」
NEWSポストセブン
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《真美子さんの献身》大谷翔平が「産休2日」で電撃復帰&“パパ初ホームラン”を決めた理由 「MLBの顔」として示した“自覚”
NEWSポストセブン
不倫報道のあった永野芽郁
《ラジオ生出演で今後は?》永野芽郁が不倫報道を「誤解」と説明も「ピュア」「透明感」とは真逆のスキャンダルに、臨床心理士が指摘する「ベッキーのケース」
NEWSポストセブン
渡邊渚さんの最新インタビュー
元フジテレビアナ・渡邊渚さん最新インタビュー 激動の日々を乗り越えて「少し落ち着いてきました」、連載エッセイも再開予定で「女性ファンが増えたことが嬉しい」
週刊ポスト
主張が食い違う折田楓社長と斎藤元彦知事(時事通信フォト)
【斎藤元彦知事の「公選法違反」疑惑】「merchu」折田楓社長がガサ入れ後もひっそり続けていた“仕事” 広島市の担当者「『仕事できるのかな』と気になっていましたが」
NEWSポストセブン
お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志(61)と浜田雅功(61)
ダウンタウン・浜田雅功「復活の舞台」で松本人志が「サプライズ登場」する可能性 「30年前の紅白歌合戦が思い出される」との声も
週刊ポスト