まず、道長。まひろと若いころに出会っていたかは史実にはないが、このドラマでは子供時代から惹かれあう仲。しかし、同じ藤原姓の貴族でも、二人にはものすごい格差がある。悲恋の予感が…。歴史的には道長は左大臣・源雅信の娘・倫子に婿入りし、娘・彰子をわずか十二歳で一条天皇に入内させたことで道が開く。彰子は敦成親王を出産、二年後には敦良親王も産まれた。その後も道長は娘を次々と入内させ、その祝いの二次会で詠んだのが、有名な「此の世をば我が世とぞ思ふ望月の 欠けたることもなしと思へば」の和歌だという。この世をわが世って言いきるって。なかなかできることじゃない。
ドラマの中で、のんきな三男坊として描かれる道長が、呪詛や毒や陰謀が渦を巻く権力闘争を勝ち抜いて、いかにして権力者として昇り詰めていくのか。これは大きな見どころだが、道長がトップになったということは、ライバルであり、よき友である他の御曹司三人がどうなったのか?
よく知られるのは、公任が和歌、漢詩、音曲にも優れ、才能を発揮したこと。現在も「小倉百人一首」の大納言公任としておなじみだ。また、行成は、書の世界で活躍し、今に伝わるその作品は東京国立博物館などが所蔵する国宝! ドラマでは何気なく書いてるあの書が国宝…。そして、気になる斉信は『枕草子』にもしばしば登場。清少納言とは近しい存在だった!?(てことは、はんにゃ金田斉信とファーストサマーウイカ清少納言が見つめ合ったりすることも?) 千年たってもこんなに歴史に名を残すというのは、さすがだ。全員「藤原」でややこしい気もするが、この四人については、「みんな藤原でみんないい」。覚えにくい方は、カタカナにしてみることをお薦めします。