●スイッチその4
シチュエーション:同年代の親戚や知人の女性についての噂話をしていて
「女も歳を取ると図々しくなるよね」
「妻に対して言ったわけじゃないからいいじゃないか」ということではありません。妻は「この人は私に対しても、歳を取って図々しくなったと感じているってことね」と受け止めます。「実際にそうなんだからいいじゃないか」という話でもありません。歳を取って変わっていくのは、女も男も同じ。妻は「なんて古臭いジェンダー意識の持ち主かしら」と幻滅して、「この人とはもうやっていけないかも」と思ってしまう可能性すらあります。
●スイッチその5
シチュエーション:幼い孫娘や親戚の女の子と買い物。「これがいい」と言われて
「女の子なのに、この色はヘンだよ」
よかれと思ってのアドバイスのつもりでした。しかし「女の子だから」「男の子だから」という理由でダメ出しをするのは、激しく時代錯誤です。こう言ったら、妻に「この人はまったく」と呆れられるだけでなく、それ以上の深刻さで、我が子など幼い子どもの親から「これだから昭和世代は」と愛想を尽かされるでしょう。大人になった息子を「男なんだからしっかりしろ」と励ますのも慎みたいところ。「しっかりしろ」だけで十分です。
実際の夫婦関係においては、妻もいちいち夫の失言や暴言に怒りを示したりはしないでしょう。多くの場合、それは寛大に許してくれているわけではありません。いちいち怒るのが面倒という理由もありますが、根底には「何を言っても無駄」「どうせ反省なんかしない」という夫への諦めがある可能性が大。その思いが妻の中でふくらみ切らないうちに、心を入れ替えて、日頃の言動に気を付ける癖をつけましょう。
「いやいや、ジェンダーがどうしたという話だけされても、他のスイッチのことはぜんぜんわからないじゃないか」という声が、どこかから聞こえてきた気がしました。その心意気やよし! スイッチについてもっと知りたいという気持ちがあるあなたは、今がどのぐらい夫婦円満かはさておき、今以上の夫婦円満を間違いなくつかみ取れます。
ご安心ください。日常生活に潜む365のスイッチを集めた『押してはいけない 妻のスイッチ』という本が、このほど発売されました。えーっと、著者は石原壮一郎……あっ、私ですね。必ずや、みなさんの夫婦円満を後押しできること請け合い。書いた本人が言うんだから間違いありません。ご夫婦で一緒にお読みいただくのもオススメです。