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21世紀枠・別海高校 町役場が決断した破格の「5000万円助成」はどう活かされたか

雪のなかでランニングする部員たち(撮影・藤岡雅樹、以下同)

雪のなかでランニングする部員たち(撮影・藤岡雅樹、以下同)

 第96回センバツの21世紀枠に選出され、大会3日目となる3月20日の第1試合に登場するのが、北海道立別海高校だ。岡山の創志学園と対決する別海高校は、甲子園の歴史上、最東端から出場する学校となった。出場が決まってからは、町をあげての支援がなされていた――。

 中標津空港から車で約30分。釧路空港からでも2時間あまりの場所に位置する別海町は、浮世から離れた印象を抱かずにはいられない「別海」という町名だけでなく、2007年から2009年にかけて首都圏で起きた連続不審死事件の罪に問われた木嶋佳苗死刑囚や、特殊詐欺グループを率いた自称「ルフィ」こと渡辺優樹容疑者の出身地としても知られ、オホーツク海に面した町に暗い影を落としてきた。

 東京23区よりも広い町内に、1万4200人が暮らし、人間のおよそ8倍となる11万頭の乳牛が暮らしていて酪農が基幹産業となるのが別海町だ。また、特大のホタテやホッカイシマエビ、秋に捕れる鮭(秋味)など漁業も盛んである。別海のミルクを使った加工品や海産物を返礼品としたふるさと納税も好調で、2023年度の寄付額は昨年末の段階で100億円を超えた。2019年度の寄付額は5000万円だったというから、わずか4年でその規模は200倍に膨れあがったことになる。

 活気づく町をさらに明るくするニュースが今年に入って続いた。1月17日に同町出身の作家・河崎秋子さんが『ともぐい』で第170回直木賞を受賞し、同26日には別海高校のセンバツ出場が決定したのだ。

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