チームを率いる島影監督。その熱意が町を動かした

チームを率いる島影監督。その熱意が町を動かした

監督自ら除雪作業をしていた

 昨年12月に、全国9地区から選出される21世紀枠の候補校となった段階で、硬式野球部の島影隆啓監督は町役場を訪ね、室内練習場を用意してもらうよう陳情した。

 別海高校には広いグラウンドがあるものの、1年のうちおよそ5か月は積雪などで使えない。「セイコーマート しまかげ中春別店」を家族経営する島影監督が店で使う除雪車を学校まで運び、自らグラウンドの除雪作業をするものの、4月になるまではグラウンド脇に設置されたビニールハウスでの練習が中心になる。フリーバッティングもノックも不可能な練習環境で準備しただけでは、甲子園で強豪校を相手にすれば大敗してしまう。そうした懸念を伝えたのだ。

 島影監督の嘆願に町もすぐに応えた。牛の品評会や夏場の祭りに利用されていた別海コミュニティーセンターをセンバツが終わるまで室内練習場として提供し、防球ネットなどを設営するためにも予算500万円を助成することに決定したのだ。

 さらに1月26日に出場が決まると、臨時の町議会を開き、ふるさと納税の積立金を財源とした4500万円をさらに助成することが決まった。別海町役場総務部の寺尾真太郎氏が話す。

「助成するにあたっていろいろと前例を調べました。全国的に市町村が行う助成というのは、だいたい300万円が相場でして、1990年に中標津高校さんが出場した時の1000万円というのは異例のようでした。別海という町は、ご覧のように冬場は外で練習ができません。センバツに出場するうえで、直前の合宿などは本州まで出て行かないといけませんし、できるだけ実戦練習(練習試合)もさせてあげたい。それが別海町の理事者(町長、副町長、教育長など)の意向でした」

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