3月21日の朝、突如鳴り響いた警報音。最大震度5弱の地震が関東地方を襲った。不安が高まるなか、これまで数々の地震予測を的中させてきた地震科学探査機構(JESEA)の「MEGA地震予測」が、さらなる大地震への警戒を呼びかけている地域がある。JESEA主席研究員兼CTO(最高技術責任者)の郭広猛博士が言う。
「ここ数か月で確認できた地震の前兆と思われる現象と弊社が蓄積している過去の地震データを照合した結果、4月中旬までに日本国内で震度5弱以上、またはマグニチュード(M)6以上の大きな地震が発生する可能性があると考えています」
村井俊治・東大名誉教授が立ち上げたJESEAのメールマガジン「MEGA地震予測」は、国土地理院が全国約1300か所に設置する電子基準点のGPSデータを使って地表の動きを捉え、1週間ごとの上下動の「異常変動」、長期的な「隆起・沈降」、東西南北の「水平方向の動き」などの主な指標を総合的に分析している。
近年は、地表の動きの分析に加え、衛星画像データの解析などを組み合わせた「ピンポイント予測」を実用化。地震発生の切迫度がより高い時に限って、「場所」や「時期」、「規模」を明示し、警告を発している。予測の的中率は70%を超える数字になるという。
■首都圏警戒ゾーン
そんな「ピンポイント予測」で現在、警戒が促されている地域がある。
〈関東地方周辺〉
〈4月13日まで〉
〈M5.5±0.5〉
国土地理院は3月1日、千葉県房総半島沖でプレートの境界付近の断層がゆっくりと滑る「スロースリップ現象」を観測したと発表した。この現象は大地震と相関があるという研究が少なくない。
「3月中旬に衛星画像データの解析で、東京、神奈川、千葉の南関東全域の地表から、地震の前兆と思われるガスの噴出を確認しました。また、『水平方向の動き』では電子基準点『千葉大原』などで南南東方向の大きな動きが見られました。これは2018年7月7日、千葉県東方沖で発生した地震(最大震度5弱、M6)の直前の動きと酷似しています。
千葉県ではすでに震度3~4の地震が頻発していますが、より一層の警戒が必要です。3月21日に発生した最大震度5弱の地震は茨城県南部が震源でしたが、それとはまた別の地震が首都圏で起きる可能性があります」(以下、「」内コメントは郭博士)