室井さんは「看護師の数が少ない病院には注意してほしい」と話す。
「最近は医師不足と騒がれていますが、都市部ではむしろ看護師が不足しており、病院間で奪い合いになっている。優秀な看護師ほどより良好な環境に集まるので、看護師に余裕がなく手が回っていないようなところは、人気がない職場といえる。そうした病院は運営面でも、問題を抱えている可能性があります」(室井さん)
医療スタッフが廊下の真ん中を歩いている病院もNGだ。総合病院での勤務経験がある看護師のCさん(45才)が指摘する。
「病院の廊下は、患者さんが歩くための場所。具合の悪い患者さんが安心して移動できるように、スタッフは少し壁側を歩くのがマナーです。堂々と真ん中を歩くスタッフが目に付く病院は、患者目線が欠けていると考えられます」
やたらと入院をすすめたり、入院期間を長引かせる病院にも気をつけたい。
「治療実績がよく、人気がある病院は、ベッドを早く回転させて新しい患者をすぐに入れようとします。しかし人気のない病院では、患者を必要以上に入院させて収入を得ようとする。
典型例は、日帰り可能な白内障の手術で、念のためという理由で入院させる病院。糖尿病などの患者を対象に、生活習慣を見直す目的で『教育入院』をすすめるところも、警戒すべきといえます」(室井さん)
長年通っている場合、検査もせずに薬を出し続けるような主治医には要注意。
「高血圧の治療を目的に10年単位で通っているのに、同じ薬を処方されるだけで、採血すらされていない患者さんは意外と多い。数年経てば、血糖値やコレステロール値、肝臓の値などに変化が生じ、治療や薬を替える必要が出てきてもおかしくない。最低でも年1〜2回、採血などの検査をしてくれる病院が安心です。
万が一、紅麹サプリメントのようなものが原因で腎臓が悪くなっていても、定期的に採血を行っていれば気づきやすくなります」(土山さん)
実際に病院を替えたことで、病気が見つかったケースもある。東京都在住の会社員・森Dさん(38才)が言う。
「病院で貧血だと診断されて鉄剤をのんでいましたが、症状はよくならず、次第に吐き気が出てきました。おかしいと思って違う病院に行ってみたところ、胃カメラを受けた方がいいと言われ、胃潰瘍が原因で貧血になっていたことが判明したんです。ピロリ菌を除去して治療を受けたら、貧血も治りました」
一方で、過剰に検査をする医療機関もよくないと話すのは岡田さんだ。
「検査を多く行えば医療機関の収入は増える。しかも検査をするほど治療の必要がない病気まで見つかり、過剰医療につながる。
少なくとも、理由を説明せずに検査をしようとする医療機関はやめた方がいいでしょう」
(後編へ続く)
※女性セブン2024年4月25日号