小学館が公表した調査報告書
特別調査委員会としては2023年6月10日にメール及び口頭での契約が成立したと認定されている。同日のメールでは小学館社員から日本テレビ社員へ、〈その先のドラマオリジナル展開に関しては、芦原先生の方から、脚本もしくは詳細プロットの体裁でご提案させていただけませんでしょうか〉と提示し、日本テレビ社員から〈9話あたりからのドラマオリジナル展開に関して芦原先生の方から、脚本もしくは詳細プロットの体裁でご提案して頂く点も承知しました〉と回答があったとされている。
一方、脚本家は調査委員会のヒアリングに対し〈(ドラマオリジナル部分の)脚本を芦原氏が書くという条件であれば脚本を引き受けなかった〉と回答している。このことから、報告書では〈芦原氏が脚本を書く場合があるとの条件は重要な要素であったので、明確にしておく必要があったと言えるかもしれない〉とも指摘している。
また、報告書では、原作サイドの要望が脚本家側に伝わっていなかった可能性が高いとして、コミュニケーションの問題も指摘された。
〈本事案では芦原氏が何度も同じ指摘をしないと原作に沿った脚本の修正がなかったことと、日本テレビ側が芦原氏の修正意見について反論して、従前の脚本を維持しようとしたことがあり、芦原氏や(小学館)社員Aに大きな負担を強いた。この度、本件脚本家の回答によれば、その大きな原因として、日本テレビ社員Y氏が、芦原氏の意向をふまえて社員Aがアレンジやエピソードの入れ替えなどをしないように何度も強く求めたことを本件脚本家に伝えていなかったり、監督など制作陣の意見を反映したりした可能性がある〉
さらにドラマオリジナル部分の8~10話についても、〈結局、芦原氏の詳細プロットの改変を極力避けてほしいとの小学館の希望が本件脚本家に伝わっていなかった可能性が高い〉と記されている。