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【安奈淳が振り返る“病との闘い”】30代で感じた体の異変、C型肝炎と診断されるも公演を優先 治療をせず症状悪化し“末期症状”に

宝塚男役トップスターとして多くのファンを魅了した安奈淳

宝塚男役トップスターとして多くのファンを魅了した安奈淳(C)Tomoko Hidaki

 安奈淳──その名前から多くの人がイメージするのは、宝塚歌劇団での華麗なる男役トップスターの姿ではないだろうか。なかでも、少女漫画の名作を舞台化した『ベルサイユのばら』(1975年)の主人公である男装の麗人・オスカルは当たり役で、“第1期ベルばらブーム”を巻き起こした。

 31才のとき、13年間在籍した宝塚歌劇団を退団したが、その後もきらびやかな舞台で歌い、演じ、軽やかにステップを刻み続けてきた。今年の7月で77才、喜寿を迎えるいまも、真っ赤なルージュと艶やかな衣装で熱唱するその姿に、多くの人はスターとしての輝かしい経歴を思うだろう。しかし安奈の人生は、実は病との闘いでもあった。【全3回の第1回】

両親の夢を担い、宝塚音楽学校へ──。

 いまから60年ほど前、中学校を卒業した安奈は、宝塚音楽学校を受験し、一発合格を果たした。

「私は幼い頃から、妹も含めた家族4人で、宝塚の舞台を見せてもらっていました。父は普通の会社員でしたから、それほど経済的余裕はありません。ですから、観劇は何か月かに1回のこと。それが、とても楽しみでしたね。

 私が小学4年生になると、両親は、宝塚音楽学校附属の日曜教室『宝塚コドモアテネ』に通わせてくれて、そこでピアノやバレエ、日舞、声楽のレッスンを受けました。宝塚音楽学校は、15才から18才なら何度でも受験できるのですが、わが家では“受験は一度だけ”と決められていたので、必死で練習しました」(安奈・以下同)

 両親が安奈の宝塚音楽学校入学に積極的だったのは、2人とも宝塚の大ファンだったから。母親はかつて、宝塚入団を夢見ていたほどだという。

「私は幼い頃からおとなしい性格で、極度の人見知り。絵画が得意だったので、将来は美術系の学校に進みたかったんです。それであるとき、その希望を父親に伝えると、サッと顔色を変えて“そんなこと言うてくれるな”と……。以来、二度と絵の話はしなくなりました。でも、おかげでいまの私があると思っています」

 1965年、安奈は宝塚音楽学校から宝塚歌劇団に入団。5年後に星組、その後、花組の男役トップスターにも上り詰めた。漫画家・池田理代子原作の『ベルサイユのばら』の主人公を演じると、月組の榛名由梨、星組の鳳蘭、雪組の汀夏子とともに“ベルばら四強”と呼ばれ、一大ブームをけん引した。入団から10年、28才のときだった。

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