ヘッドホンをしたまま自転車に乗るスタントマンが車に気付かず事故が起きる様子などを再現した交通安全教室(時事通信フォト)

ヘッドホンをしたまま自転車に乗るスタントマンが車に気付かず事故が起きる様子などを再現した交通安全教室(時事通信フォト)

 先のトラックドライバーが語る。

「自転車からすればなんでもないように思える逆走だけど、本当に車を運転する側は怖いことをわかってほしい。危ないし、自転車なんて車にぶつかったらひとたまりもない」

 さっきの若者がコンビニから出てきた。またスマホ片手に、さっき来た道を今度は右側通行の逆走で去っていった。警察なんてどこにいるんだ、というくらいだだっ広い田舎とはいえ危険だ。実際、冒頭の女子高生の事故現場も前橋市といっても五代町というのどかな場所、それでも何気ない自転車による「日常の交通違反」が自分の命を奪いかねない。

 個人的に筆者は逆走と共に、一時停止の無視はとくに危険なので絶対にやめてほしいと思っている。知人から「自転車で一時停止なんてアホか」と言われたことすらあるが、アホで構わないので指定場所では一時停止して欲しい。運転中に一時停止無視で出てこられるとヒヤッとする。というか一時停止しないで、よくも見通しの悪い十字路とか突っ切れるものだと思う。そんなもの、交通事情によっては車側だって本当にどうにもならない。子ども二人を乗せたママさんすら全速力の電動自転車で突っ切るからたまらない。忙しいこと、事情のあることはわかるがそれで命を落としかねない。「たかが自転車」でそれこそ多くの人の人生を狂わせてしまう。

 最後に自転車に導入される青切符について警視庁が「取締りの重点対象行為」として発表した取締りの一覧を引く。そもそも以前から自転車でも違反ではあるのだが、運転免許証を持たない、もしくは免許取得年齢にない人もいると思うので、いま一度確認して欲しい。

・信号無視
・指定場所一時不停止
・通行区分違反(右側通行、歩道通行等)
・通行禁止違反
・遮断踏切立入り
・歩道における通行方法違反
・制動装置不良自転車運転
・携帯電話使用等
・公安委員会遵守事項違反(傘差し)など
※警視庁「自転車の交通違反に対する交通反則通告制度の適用」より。なお酒酔い、酒気帯び運転は自転車もこれまで通り赤切符、罰金刑。

 2026年を目処に、これらはすべて自動車やオートバイと同様に青切符、反則金の対象となる。金額は5000円から1万2000円程度とのことでなかなか高額だが、それよりもやはり命と、双方の人生を大切にするためにも「たかが自転車」と思わず留意して欲しい。

日野百草(ひの・ひゃくそう)/日本ペンクラブ会員。出版社勤務を経て、社会問題や社会倫理のルポルタージュを手掛ける。

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