伊藤被告の執着愛「どこへ行くにも許可が……」「別れるなら殺す」
10日に行われた初公判では冨永さんの両親も証言台に立ち、その中で父親は「どこに行くにも男の許可がないと怒られていた。私と食事に行くときも事前に確認をとっていた」と涙ながらに話している。
県警人身安全対策課の説明では、2021年10月から事件が起きた2023年6月にかけて、冨永さん本人や友人らから、伊藤被告のDV行為などに関する相談や通報が計4件ほど、寄せられていたという。前出・全国紙社会部記者が振り返る。
「2022年12月には伊藤被告の自宅アパートの住民から『男女の争う声がする』と110番通報されることもあった。この際に駆けつけた警察に冨永さんは『別れるなら殺すと言われ、首を絞められた』などと被害を訴えたそうです。
県警はこうした通報がくるたびに2人から事情を聞いたり、伊藤被告を注意していましたが、冨永さんから『仲直りした』と申告があったことで、ストーカー規制法に基づく禁止命令を出すなどの対応はとらなかったのです」
自宅アパートで110番通報があったときの様子について、住民はこのように語っていた。
「隣の部屋から激しい口論が聞こえて、それからパリーンと、何かが割れるような音がしていました。女の子とは口論をしている様子で、暴力をふるっているような音はしませんでした。女の子が大きな声を出すと男性が『隣に聞こえるだろ!』という感じでなだめていました」