スポーツ

【絶好調の“6月男”】ドジャース・大谷翔平、高まる「日本人初の三冠王」の期待 “最大の壁”となるのは「1番DH」

メジャー日本人初の三冠王が期待される一方で障壁も(写真/共同通信社)

メジャー日本人初の三冠王が期待される一方で障壁も(写真/共同通信社)

 ドジャース・大谷翔平(29)が6月に入ってから快音を鳴らし続け、圧倒的な成績を遺している。

 打率(.320)と本塁打(24本)でリーグ1位、打点(60点)ではりーグ3位につけている(日本時間6月26日時点、以下同)。メジャーリーグに詳しいスポーツジャーナリストの友成那智氏が語る。

「大谷は毎年6月に打って9月に失速するパターンでしたが、プレーオフに出られない落胆に加え、二刀流の疲れが出るのが大きな原因でした。それが今年はプレーオフに出るのは確実で二刀流の疲れもない。さらに調子を上げる可能性が高い」

“6月男”と呼ばれる大谷だが、特に調子が上向いたのは不動の1番打者ムーキー・ベッツ(31)が6月16日の試合の骨折で離脱してからだ。翌日からベッツの代わりに「1番DH」に座ると、8試合で打率は.419(31打数13安打)、本塁打は5本、14打点、10得点、出塁率.538と爆発した。スポーツ紙記者が語る。

「ここ最近の好調について、囲み取材でも『最近は打つべくして打っている』と自信を覗かせています。最近は取材で晴れやかな表情を見せることも多いし、饒舌な印象です。本人的も手応えを感じているのではないか」

 期待されるのがメジャー日本人初の三冠王だが、それにはむしろ「1番DH」であることが最大の壁になるかもしれないという。メジャーリーグ研究家の福島良一氏が語る。

「本塁打に関しては1番として打順が多く回ってくるので有利に働くと考えられます。最近は甘い球をしっかりと仕留められているので、その調子が続けば大丈夫でしょう。

 問題は打点です。前半戦はドジャースの7番、8番、9番の打率が30球団で最低クラスでした。これまでは好打者のベッツの後を打っていたため、打点を稼ぐチャンスは多くありましたが、それが後半戦はどうなるか」

ライバルは2年連続の首位打者

 そして、福島氏が偉大な記録達成のもう一つの壁と見るのが、打率だ。

「同じリーグには、2022年(.316)と2023年(.354)にそれぞれ別のリーグで首位打者に輝いたパドレスのルイス・アラエス(27)がいます。2年連続で異なるリーグで首位打者になった唯一の選手です。今シーズン前半にマーリンズからパドレスにトレードされましたが、好調を維持している。今は大谷に抜かれていますが、昨年の6月には打率4割をマークしていた超一流打者です。強力なライバルになるでしょう」

 ベッツの復帰は7月下旬とみられている。壁を乗り越え、三冠王を手にできるのか。

※週刊ポスト2024年7月12日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

羽生結弦が主催するアイスショーで、関係者たちの間では重苦しい雰囲気が…(写真/AFLO)
《羽生結弦の被災地公演でパワハラ告発騒動》アイスショー実現に一役買った“恩人”のハラスメント事案を関係者が告白「スタッフへの強い当たりが目に余る」
女性セブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン
『ここがヘンだよ日本人』などのバラエティ番組で活躍していたゾマホンさん(共同通信)
《10人の子の父親だったゾマホン》18歳年下のベナン人と結婚して13年…明かした家族と離れ離れの生活 「身体はベナン人だけど、心はすっかり日本人ね」
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
「タダで行為できます」騒動の金髪美女インフルエンサー(26)が“イギリス9都市をめぐる過激バスツアー”開催「どの都市が私を一番満たしてくれる?」
NEWSポストセブン
川崎春花
【トリプルボギー不倫の余波】日本女子プロ2022年覇者の川崎春花が予選落ち 不倫騒動後は調子が上向かず、今季はトップ10入り1試合のみ「マイナスばかりの関係だった」の評価も
NEWSポストセブン
ドバイのアパートにて違法薬物所持の疑いで逮捕されたイギリス出身のミア・オブライエン容疑者(23)(寄付サイト『GoFundMe』より)
「性器に電気を流された」「監房に7人、レイプは日常茶飯事」ドバイ“地獄の刑務所”に収監されたイギリス人女性容疑者(23)の過酷な環境《アラビア語の裁判で終身刑》
NEWSポストセブン
「中野駅前大盆踊り大会」前夜祭でのイベント「ピンク盆踊り」がSNSを通じて拡散され問題に
《中野区長が「ピンク盆踊り」に抗議》「マジックミラー号」の前で記念撮影する…“過激”イベントの一部始終
NEWSポストセブン
Aさんの乳首や指を切断したなどとして逮捕、起訴された
「痛がるのを見るのが好き」恋人の指を切断した被告女性(23)の猟奇的素顔…検察が明かしたスマホ禁止、通帳没収の“心理的支配”
NEWSポストセブン
川崎市に住む岡崎彩咲陽さん(当時20)の遺体が、元交際相手の白井秀征被告(28)の自宅から見つかってからおよそ4か月
「骨盤とか、遺骨がまだ全部見つかっていないの」岡崎彩咲陽さんの親族が語った “冷めることのない怒り”「(警察は)遺族の質問に一切答えなかった」【川崎ストーカー殺人】
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
【七代目山口組へのカウントダウン】司忍組長、竹内照明若頭が夏休み返上…頻発する「臨時人事異動」 関係者が気を揉む「弘道会独占体制」への懸念
NEWSポストセブン