芸能

【落語界の新たな動き】落語協会の新会長に柳家さん喬、立川流も社団法人を設立し代表に志の輔、副代表に談春・志らくが就任

落語界に誕生した2人の新会長(イラスト/佐野文二郎)

落語界に誕生した2人の新会長(イラスト/佐野文二郎)

 放送作家、タレント、演芸評論家、そして立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、落語界に誕生した2人の新会長について綴る。

 * * *
 連日深夜に、ついつい五輪を見てしまうのでこうして昼間はなんだかボンヤリ。原稿を書こうにもまとまらないし挙動不審。暑さもあっていきなりのレディ・ガガ! あっ調子が出てきました。コマネチの姿もありました。北野氏何故に“Wコマネチ”をやりに行かなかったのか。北野氏、フランスでは超有名なんでしょ。とにかく明るい安村くらいはウケたかも。

 五輪でも何でも人が集まりゃ「会長」というものを選ばなければならない。猿山のボスだ。私が“外部理事”をつとめる「漫才協会」の若き会長はナイツの塙だ。見かけによらずよく仕事をしている。漫協の唯一の赤字は塙が個人的にやっているユーチューブらしい。

 そんな中「落語協会」の会長を10年つとめ、この度一門の先輩でもある柳家さん喬にスムースにバトンタッチしたのは柳亭市馬。人柄がよく、ついクスクスッと笑ってしまう落語本来の楽しさを味わわせてくれる。

 市馬が雑誌に一句詠んでいた。「ほどの良い風が柳を引きたゝせ」。達者なものだ。人間国宝・柳家小さんのところへ剣道ができるからと入門。「おい稽古だ」と言われると浴衣に着換え扇子を持った。「バカ野郎、落語じゃねぇ。剣道だ」。アハハそういう弟子である。

 また歌謡曲がとびっきり良く(三橋・春日)、噺家のパーティなどでは歌謡浪曲長編、三波春夫の『俵星玄蕃』を披露するや、ヤンヤの大喝采。

 新会長のさん喬は1948年生まれ私と同い年。古典の名手である。あまり落語を知らない人にも、最近の会長代々を。

【4代】古今亭志ん生(NHK『いだてん』でたけし氏が演じた)
【5代】桂文楽(まさに名人の名にふさわしい)
【6代】三遊亭圓生(レパートリーの広さ)
【7代】柳家小さん(人間国宝・談志の師匠)
【8代】三遊亭圓歌(新作爆笑王)
【9代】鈴々舎馬風(昔は“かゑる”と言ってリングアナまでやった)
【10代】柳家小三治(このあたりはまだ覚えているでしょう。人間国宝)
【11代】柳亭市馬
【12代】柳家さん喬。

 見れば一目瞭然、小さん会長以下圓歌をのぞけば、すべて小さん一門なのである。だから何だという訳でもないが……。

 ここを離れた「落語立川流」からニュースである。私のそばにいる立川志ららが1年位前からやたら書類持って走りまわったりハンコついたりしてるから何だろうと思ったら「一般社団法人 落語立川流」設立だと。代表に志の輔、副代表に談春、志らく。磐石の体制となった。さぁどうなる立川流。

※週刊ポスト2024年8月16・23日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン