いじめを題材にした中学校で使われる道徳の教科書(時事通信フォト)

いじめを題材にした中学校で使われる道徳の教科書(時事通信フォト)

 2016年、兵庫県加古川市の中学生が「死ね」と書かれたメモを渡されるなどのいじめを受け続けて連絡ノートで「しんどい」と直接的なメッセージを送っていたにもかかわらず担任が「ただの生徒同士のトラブル」と放置、命を絶ってしまった事例がある。

 また大阪市の女子小学生が「死ねって言われた」と自宅マンションから飛び降りた事件も、女子小学生は思い悩んで連絡ノート(この小学校では「自学ノート」)に「わたしは死ねばいいのに」と綴って提出したにもかかわらず、担任からその部分に花丸をもらい、「You can do it!!(あなたならできる!!)」と返されてしまった。その女子小学生の遺したメモには「気づいてほしかった」とあった。

「それは特殊、と思うかもしれないが、本当に人の心が欠落した教員は普通にいる。いじめる側がそうであるように、教員にもそういう人はいる。個別の問題かもしれないが、同じ教員として『それは特殊』とは思いたくないし、それで片づけたくはない。それでは生徒を救えない」

 現役の教員として、大人かつ有名人の話だが今回のフワちゃんの件はどう思うか。

「テレビの影響とかネット文化とか簡単に括りたくはないが、人としてどうかと思う。多くはそう思うだろう。『ください』を『くださーい』にしたからなんだというのか」

 また彼は引っかかる部分があると語る。フワちゃんのラジオ休止を知らせるポストだという。

〈私自身の投稿で、ご本人はもちろん、投稿を見た方々を深く傷付けてしまったことを心から後悔しています。
本当に申し訳ありませんでした。〉

「これ、どうにも『後悔』が引っかかる。後悔は自分ごとだろう」

 あくまで彼の感想ではあるが現役のベテランだからこその引っかかりがあるのだろう。

ノリでいじってネタで済ませてきたのか

 冒頭の男性会社員はこう語る。

「私は中学時代、いじめに耐えて勉強しました。県で最上位の高校に行けばこんなことはないって。実際に合格しましたが、あの中学とはまったく違う世界でした。きちんと言葉が通じて、それぞれが互いを尊重して、合う合わないがあってもそれは不用意に接触しないとか、あたりまえのことができる集団でした。母校にも誇りを持っていました」

関連記事

トピックス

違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者が逮捕された
「1時間20万円で女性同士のプレイだったはずが…」釈放された小西木菜容疑者(21)が明かす「レーサム」創業者”薬漬け性パーティー”に参加した理由「多額の奨学金を借り将来の漠然とした不安あった」
NEWSポストセブン
「最後のインタビュー」に応じた西内まりや(時事通信)
【独占インタビュー】西内まりや(31)が語った“電撃引退の理由”と“事務所退所の真相”「この仕事をしてきてよかったと、最後に思えました」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問される佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
《ブラジルへ公式訪問》佳子さま、ギリシャ訪問でもお召しになったコーラルピンクのスーツで出発 “お気に入り”はすっきり見せるフェミニンな一着
NEWSポストセブン
小さい頃から長嶋茂雄さんの大ファンだったという平松政次氏
《追悼・長嶋茂雄さん》巨人キラーと呼ばれた平松政次氏「僕を本当のプロにしてくれたのは、ミスターの容赦ない一発でした」
週刊ポスト
ロシアのプーチン大統領と面会した安倍昭恵夫人(時事通信/EPA=時事)
プーチンと面会で話題の安倍昭恵夫人 トー横キッズから「小池百合子」に間違われていた!
NEWSポストセブン
「日本人ポップスターとの子供がいる」との報道もあったイーロン・マスク氏(時事通信フォト)
イーロン・マスク氏に「日本人ポップスターとの子供がいる」報道も相手が公表しない理由 “口止め料”として「巨額の養育費が支払われている」との情報も
週刊ポスト
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
《会社の暗部が暴露される…》フジテレビが恐れる処分された編成幹部B氏の“暴走” 「法廷での言葉」にも懸念
NEWSポストセブン
渡邊渚さんが性暴力問題について思いの丈を綴った(撮影/西條彰仁)
《渡邊渚さん独占手記》性暴力問題について思いの丈を綴る「被害者は永遠に救われることのない地獄を彷徨い続ける」
週刊ポスト
 6月3日に亡くなった「ミスタープロ野球」こと長嶋茂雄さん(時事通信フォト)
【追悼・長嶋茂雄さん】交際40日で婚約の“超スピード婚”も「ミスターらしい」 多くの国民が支持した「日本人が憧れる家族像」としての長嶋家 
女性セブン
母・佳代さんと小室圭さん
《眞子さん出産》“一卵性母子”と呼ばれた小室圭さんの母・佳代さんが「初孫を抱く日」 知人は「ふたりは一定の距離を保って接している」
NEWSポストセブン
元タクシー運転手の田中敏志容疑者が性的暴行などで逮捕された(右の写真はイメージです)
《泥酔女性客に睡眠薬飲ませ性的暴行か》警視庁逮捕の元タクシー運転手のドラレコに残っていた“明らかに不審な映像”、手口は「『気分が悪そうだね』と水と錠剤を飲ませた」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
《レーサム創業者が“薬物付け性パーティー”で逮捕》沈黙を破った奥本美穂容疑者が〈今世終了港区BBA〉〈留置所最高〉自虐ネタでインフルエンサー化
NEWSポストセブン