元タクシー運転手の田中敏志容疑者が性的暴行などで逮捕された(右の写真はイメージです)
酒に酔ってタクシーに乗った女性客に睡眠薬を飲ませて意識を失わせた上で、女性宅に押し入って性的暴行に及ぶ──。5月21日、警視庁捜査1課は、昨年7月に起きたこの卑劣な犯行で、元タクシー運転手の田中敏志容疑者(54)を再逮捕した。容疑者は「覚えていない」などと容疑を否認しているという。
日常の安全性を脅かす信じがたいこの事件に、社会は震撼した。大手紙社会部記者が解説する。
「今回の事件は不同意性交等、わいせつ略取、性的姿態撮影処罰法違反といった容疑がかけられています。田中容疑者はすでに昨年10月、10代の女性に対する昏睡強盗容疑で逮捕、処分保留で釈放されましたが、別の不同意わいせつ事件で起訴されています。いずれも乗客として乗り込んできた女性に睡眠薬を飲ませ、性的暴行をして撮影するというとんでもない事件です。
容疑者のスマートフォンからは乗客とみられる女性の画像や動画が約3000点も見つかっており、2008年以降、約50人が被害にあった可能性もあります」
手口は、酒に酔った女性に対し、看病のふりをして水と睡眠薬を飲ませるといったものだったという。長年にわたって繰り返されてきたわけだが、なぜここまで発覚しなかったのだろうか。