トー横で電話をかける徳永被告
表向きは“イベントオーガナイザー” 裏ではクスリの売人として暗躍
法廷に現れた徳永被告は、逮捕前の姿から驚くほど変化していた。かつて130キロほどあった体は見違えるほど小さくなり、かつて帽子姿に隠れていた頭部はところどころ禿げ上がり、髪の毛は無造作に伸びている。さらに足腰を悪くしたのか、車椅子に乗って入廷した。その様子は病人のようで、30代とは思えないほどに老け込んでいた。
裁判が始まると、まず人定質問が行われた。なぜか徳永被告は、本籍の住所を枝番まで覚えておらず、裁判官を困惑させていた。検察官が起訴状を読み上げると、監禁と恐喝のほか、特殊詐欺に関する罪状が計19件も述べられた。
詐欺はトー横キッズを受け子にしたもので、被害者は全員が80歳以上の高齢者で、被害額は合計で約1250万円にものぼる。また冒頭陳述によると、被告は2022年頃から、三枝被告やトー横キッズらとともに、特殊詐欺にとどまらず違法薬物の売買を始めたという。冒頭のトー横界隈の事情に詳しい関係者はこう語る。
「徳永は6〜7年前から新宿にいたと思います。当時からキャバ嬢の売掛金を客から取り立てて脅迫したり、女性に性的暴行を加えたり、クスリ関係で捕まったりと、何回も警察のお世話になっていたような男です。界隈では有名なビジネスホテルに年間で、300泊以上していたそうです。子ども達の前ではいつも『俺は金がある』とか大見得を切っていて、悪い大人として界隈では認識されていました。
ある時、自身を“イベントオーガナイザー”と称していたこともありました。トラブルがあり、実現しませんでしたが、2年前の8月には歌舞伎町内のとあるクラブで、音楽イベントを開き、裏では大麻の“品評会”のようなことを行なっていました。その時は一世風靡した超有名なラッパーもフライヤーに名前が出ていましたね。またこの時、トー横キッズたちもイベントに招待されています」