長年の盟友として苦楽をともにしてきた(撮影/藤岡雅樹)
「SAMが言った手荒な乗務員じゃないけど僕らの若かった頃って、今の若者以上に雑に扱われて今で言う“パワハラ”がありながらもハングリー精神で乗り越えてきたところがある。僕はそれが嫌いじゃなかった。感じ方はそれぞれだけど、少なくとも僕は原体験としてそれらの積み重ねで今の自分があるから。『Beef Or Chicken?』はその原体験のひとつ。3文字で略称できるのもイイねってことで、すごくハマったね」(KOO)
とはいえ、そもそもなぜ「B.O.C」を組むことになったのか。きっかけは1995年に発売されたアルバム『dAnce to positive』に収録され、ライブなどでもファンの間で長く愛されてきたHIPHOP曲『FUNKY M』のライブでの盛り上がりかにあった。
「『FUNKY M』は僕とKOOちゃんがふたりで歌う曲なんです。歌詞からも1990年代の夜の六本木の騒々しい時代感や空気感が感じられる楽しい楽曲だからライブで盛り上がる定番曲にもなってたんです。ある時からKOOちゃんも『踊りたい』って言い出して、わざと間奏伸ばして踊った時もあったんですけど、めちゃくちゃ楽しい空間になったんだよね。それで『FUNKY M』の第二弾みたいな、ネクスト『FUNKY M』的なことをやりたいよねって話して」(SAM)
SAMのその呼びかけにKOOも乗り出し、自ら週1でダンスレッスンを受けるようになった。「体硬いですからねー。ストレッチの時点で疲れてますよ」(KOO)。還暦を超えたふたりのハングリー精神に満ちたデビュー曲のタイトルは『NARIYAMA NIGHT』。作曲したのは小室哲哉である。