見本市で見つけた品
「フレンドリー会員(料金割引のかわりに店舗運営のサポートを一部担当する会員のこと)の方々には、清掃作業などのときにビニール手袋を使っていただいています。些細な品ではありますが、全店舗で年間を通じて使うとなると、そこにかかるコストはばかにできません。
事業責任者たちがビニール手袋や布巾を実際に触ってみながら、『厚みはどうだ、大きさはどうだ、荷姿はどうする』などと真剣に検討しているのを見て、自分も良い刺激を受けました。
提供するサービス内容など顧客満足度にダイレクトに関わってくる部分が“幹”だとすれば、ビニール手袋といった備品は“枝葉”の部分かもしれません。ですが、こういう枝葉を強くすることで、幹も強くなっていくのだと再確認しました」
言葉が通じない場で実際に動きまわり、「これだ!」と感じる1円でも安い品を探し出して、社長に直々にプレゼンする。過酷ではあるが、こうした経験はビジネスパーソンとして貴重なものと言えるだろう。
「初めはオンラインを使ってもう少し小さな規模で研修を行う案もあったのですが、実際に手足を動かさないと、どうしても自分ごとになりにくいんですよね。今回の海外出張で使ったコストは、将来的に大きなリターンに繋がると確信しています」
100円ショップ出身の執行役員のもと行われた大規模な海外出張。「1円でも安い品を探し出す」という小さな努力の積み重ねが“異次元の低価格”を実現させる、ひとつの要因になっているのだろう。
(了。前編から読む)