主演ドラマ『ぬらりひょんの棲む家』での怪演が話題の木下(SWIPEDRAMA提供)
「こういう人生なんだ」
これまでのキングオブコント出場は「いいネタができたので挑戦する」というスタンスだったが、今回は「優勝するためにネタを作る」と真逆だった。それゆえどうしても客席の反応に頼ってしまったのかもしれない。
「ゾンビコントは大学生をイメージしてやってるんですけど、大学生役やったら大学生がやったほうがいいんですよ、極端に言ってしまうと、若手だったら誰でもできるネタだったと思ってます。
いま、審査員の気持ちもわかる気がします。『不祥事を起こしたTKOが11年ぶりに出場しにきた。どんなネタ持ってくるんやろ』って気持ちで見るわけです。たしかにパッと見、会場はウケてる。『まあ面白いよ。でも、お前らがキングオブコントでやるネタは、本当にそれでええんか?』って突きつけられた結果だと思ってます。もし、同じようなゾンビネタでウケてる若手がおったらそっちを通す。僕ならそうします」
敗退の結果から約3週間。悩みに悩んだという木下は、「もちろん不祥事を起こさないことがいちばんいい。家族、友人、仕事仲間、関係者に迷惑をかけないのは人として大切なこと」と前置きした上で、こう口にする。
「52歳でこんな悔しい、情けない思いができて、良かったなっていう。言い方したらすごい語弊あるんですけど、同期でこんな思いをしているのは僕らくらいじゃないかと(苦笑)。“こういう人生なんだ”っていう、 自分の中で落としどころ見つけました」
来年以降のキングオブコントにはどう向き合うのか。
「自分たちの“味”が出せるTKOらしいネタを、この1年で作ることができたらもう1回チャレンジしようって考え方に変えました。キングオブコントのことしか頭になくて、やっぱりちょっと自分らしさを失ってしまってたんやなっていう。
面白いのは当たり前。プラスでTKOらしさをいかに出せるか。応援してくださるみんなと共に作っていけたら、きっと面白いネタが作れると思ってます。なので、いまはこれからの1年がめちゃくちゃ楽しみです」