犯人の都内自宅はすでにもぬけの殻に…
NHKは事件後、胡に対し信用毀損などに対する損害賠償を提起したことを発表。さらに刑事告訴についても検討中だと明かした。しかし、本人はすでに中国に帰国していたようで、賠償請求はおろか刑事責任に問うことは難しい状況だという。
「東京大学に留学しNHKでは22年間も働いていた彼は、今回の騒動後、すぐに中国に帰ったそうです。帰国後には新たに開設した微博(ウェイボー)のアカウントで、日本社会やメディアに対する批判をたびたび投稿。現在までに12万人を超えるフォロワーを獲得しています」(中国在住ジャーナリスト)
中国版の「X」ともいわれるSNS「微博」では、反日感情を煽るような発言を繰り返し、そのたびに喝采を浴びていた胡。ただ、これまで事件の動機について詳しく言及はしてこなかった。それが9月中旬、冒頭のように「北京日報」の取材に対し、事件について語り始めたのである。
《NHKは公共メディアであるにもかかわらず、国際ニュース報道において、基本的な事実確認を欠いていることが多い。NHKは日本政府の代弁者として、歴史修正主義という隘路(あいろ)を日本政府に盲従している》
NHK批判はこれにとどまらず、靖国神社の落書きのニュース原稿についても追及。
《「便所」という言葉を残す一方、「軍国主義」という言葉を隠すことで、NHKはこの事件を「破廉恥行為」と決めつけようとしていたのです》
さらにインタビューの後半では、《日本では「戦前の時代への逆戻り」が起こっており、社会が徐々に第二次世界大戦前の状態に戻りつつあると考える人々も多いのです》などとも語っていた。
「胡はすでにNHKとの契約は解除され、都内の自宅はもぬけの殻。もう日本に戻って来る気はないからこそ、『北京日報』で思いの丈をぶちまけたのでしょう。動機について政治的なことを語っていますが、どうも給料を含めた待遇面への不満があり、これが問題発言の一因だったと見られています」(前出・全国紙社会部記者)
公共の電波をジャックし、一方的な思想を垂れ流すことは許されることではない。さらに、思想信念の暴走の果てに、何の罪もない子供が犠牲になるような悲劇が繰り返されることは、絶対にあってはならない。