数少ないトーク番組の中で、50年も続いているのは『おしゃれ』シリーズだけだろう。50周年を記念した特番には、歴代MCも集結する予定だ。昭和から平成、令和まで数々の名場面を生んだ『おしゃれ』シリーズが、愛され続けるのはなぜか? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
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29日夜、『おしゃれクリップ1時間SP』(日本テレビ系)が放送されます。これは『おしゃれ』シリーズ放送50周年を記念した特番で、楠田枝里子さん、古舘伊知郎さん、阿川泰子さん、マルシアさん、上田晋也さん、藤木直人さんの歴代MCが集結。現MCの山崎育三郎さんと井桁弘恵さんを含む、一夜限りの豪華共演が実現します。
特番では、歴代MCが『おしゃれ』シリーズへの思いや裏話を語るほか、各番組の名場面やCMの振り返りや歌唱パートなどが予定されています。
時代が昭和、平成、令和と移り変わる中、なぜ『おしゃれ』シリーズは50年にわたって放送を続けてこられたのか。歴代の各番組を振り返りながら、その強みや背景などをあげていきます。
スタートは平日昼の帯番組だった
シリーズの口火を切ったのは1974年の「おしゃれ」。当時は平日の月曜から金曜13時15分から30分に放送されていた昼の帯番組であり、「話題性のあるゲストを招いたトークショー」という構成は現在まで続いています。同番組の司会は三橋達也さん、石坂浩二さん、楠田枝里子さん、杉浦直樹さん、久米宏さんなどが務め、1987年春まで放送されました。
同年1月にスタートしていたのが、古舘伊知郎さんと阿川泰子さんが司会を務めた『オシャレ30・30』。ここで毎週日曜22時から22時30分という現在と同じ放送時間帯になり、37年超にわたって続いています。
番組名の「30・30」は“30代の司会者による30代に向けた30分の番組”に由来し、ジャズシンガーである阿川さんが歌を披露するシーンもありました。
番組はちょうど30年前の1994年6月で終了。ただ、古舘さんは同年7月スタートの『おしゃれカンケイ』にも継続出演し、パートナーの菊池桃子さん、マルシアさん、渡辺満里奈さんと進行を担いました。
なかでも人気だったのは、番組終盤の「16小節のLOVE SONG」というコーナー。ゲストに近い人物が思いを込めて書いた手紙が披露され、視聴者の涙を誘うシーンが定着しました。
同番組は10年あまり放送されたあと2005年春で終了し、『おしゃれイズム』がスタート。上田晋也さん、藤木直人さん、森泉さんの3人がMCを務め、プライベートに密着するロケを増やすなど、ゲストに合わせた多彩な構成・演出が見られるようになりました。
同番組は2021年秋で16年半にわたる放送を終え、現在放送中の『おしゃれクリップ』がスタート。ゲストが「やってみたいおしゃれ」を自らプロデュースした上で、「私の中の、もうひとりのワタシ」というコンセプトのトークを進めています。