内田被告と大川さん(左・大川さん 右・内田被告)
「舐められないようにブランド下着を着ていた」
「他にも、複数人のAV女優らを囲っており、毎月家賃代と何十万円のお小遣いが大変だとか、懲役にはそのAV女優たちとの写真を持っていく、といつも楽しそうに話をしていました」
B氏は「思い返すと彼は、周囲から舐められないことを第一に、虚勢と見栄を張ることばかり考えていたように思えます」と振り返る。内田被告は留置場内で所有するお菓子の袋数を他の被疑者と競い、優越感を得るそぶりも見せていたという。
“虚勢と見栄”にこだわる内田被告はまた「刑務所では舐められないようにブランド下着を着用する」と話していたという。さらに、
「話の経緯は忘れてしまいましたが、事あるごとに『拷問が大好き』と話しており、自身の経験談として、男性器をガスバーナーで焼いたことがあると幾度も話していました。『拷問したい』『苦しむ姿を見たい』との発言は本当に何度も聞いています」
一方で、室内では『平家物語』を読み込み「小学生の頃、高校生と一緒に英検対策の授業を受けて、英検2級を取得していた」などとも語っていたほか、B氏に対して丁寧な態度で接する面もあったという。留置場に入って2日目のことだ。
「勾留された際、環境の変化からか私が大きなイビキをかいてしまっていたようでしたが、内田からは『朝から申し訳ありませんが、少しイビキが気になってしまう時があり、どうしても寝れない時は起こさせてもらっても大丈夫ですか』と非常に丁寧な問いかけがありました」
経済状態などを含め、B氏が留置場で聞いた話と公判で明らかになった内田被告の状況には大きな食い違いがある。そして、事件そのものについての証言をめぐっても同様の構図が見られる。内田被告は公判で〈自身は暴力団員ではなく、被害者の大川さんが準構成員〉〈大川さんから詐欺を指示されていた〉などとも語っていたが、公判を傍聴していた大川さんの親友・Aさんは言う。
「大川は準構成員でもないし、詐欺を指示してもいない。薬物の密売人だったとか、闇金をやっていたとも内田は法廷で言っていましたが、そんなことは絶対ない。自分を正当化するための作り話だと思うんですが、そのために被害者の大川をことさら悪人にしている。殺害した上に名誉を傷つけるような発言に怒りを感じています」
控訴審では内田被告はどんな発言を繰り出すのか。引き続き取材していく。
◆取材・文/高橋ユキ(フリーライター)