chocoZAPの戦略に森永康平氏の見解は(時事通信フォト)
小規模無人ジム「chocoZAP(チョコザップ)」は、月額2980円(税抜)という低価格により、2022年7月にブランドが開始して以降、またたくまに会員数で日本一に輝いた。その攻めの姿勢は止まらない。RIZAPグループは5月15日、出店加速のために「chocoZAP」のFC(フランチャイズ)展開をスタートすることを発表した。
2025年5月現在、すでに「chocoZAP」は全国に1799店舗を展開しており、店舗数という点では業界内でも圧倒的だ。さらなる拡大の先に、何を見据えているのか?
経済アナリストの森永康平氏は、「“『chocoZAP』は出店しすぎだ”との声もありますが、私の見方は真逆です」と語る。
「ジム事業というものは、お客さんに通い続けてもらうことが肝心です。しかし、歩いて5分、10分の距離にジムがないと、結局すぐ面倒になって通わなくなってしまう。それくらいの距離にある身近なお店というとコンビニが思い浮かびますが、大手コンビニとなると、全国に1万、2万の店舗を抱えているわけです。
つまり、そのレベルまで出店しないと、日本全国の人々にジム通いを習慣化してもらうことは難しい。しかし全て直営でやるには出店スピードが上がりにくいということで、FCオーナーの力を借りながら出店を拡大すべく、FC展開に踏み切ったのでしょう」(森永氏、以下同)
スタッフを常駐させることなく店舗運営ができるうえに圧倒的な認知度を誇る「chocoZAP」は、空き物件のオーナーにとっても魅力的な存在だろう。RIZAPグループとしては、FCモデルの展開と併せて、公民館や図書館などの公共施設、病院内への出店も目指すという。
「病院内に24時間ジムを出店するという新しい試みが成功すれば、その市場でかなり有力なプレーヤーになれるかもしれません。また、空き物件の使い道に悩む自治体は多いので、そことの提携が上手くいけば、出店拡大に一層弾みがつくことでしょう。地域の健康データを入手することによって、新しい事業の可能性も広がっていくはずです。
自治体との提携、病院内出店という構想からは、RIZAPグループの“『chocoZAP』を社会インフラにしたい”という思いが強く伝わってきます」