「ONE PIECEとドジャースコラボの麦わら帽とカード」の高騰ぶりに大谷翔平も驚き(左/時事通信フォト)
ドジャースタジアムと転売サイトが大騒ぎとなった。7月5日に31才の誕生日を迎える大谷翔平所属のロサンゼルス・ドジャースが7月3日(日本時間4日)、対ホワイトソックス戦で、人気漫画『ONE PIECE』とのコラボレーション「ONE PIECE NIGHT」を開催。ドジャースタジアム来場の先着4万人に、チームロゴが入った主人公ルフィの麦わら帽子と、ルフィがドジャースのユニホーム姿で投球するイラストのトレーディングカードを配った。
これらのアイテムが大バズりした。配り終えた直後から、米国の転売サイトや日本の大手フリマサイト「メルカリ」に、次々と出品。値段は、カードが最高値で15万8000円。麦わら帽子は3万円で、あっという間に落札されていった。7月5日現在、カードは9万円台で何枚も落札されていて、両アイテムのセットの落札価格は15万円だ。
2023年の米国マイアミでのWBC世界一や、昨年の韓国と今年の東京ドームでのドジャース開幕戦など、世界各国にまで大谷の応援に駆け付ける元スポーツ紙記者のライター瀬津真也がリポートする。
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「この夜だけは大谷選手よりもONE PIECEへの声援の方が大きかった。スタジアムはカオスでした」
入場ゲートで麦わら帽子とカードが手渡されると、すぐその先には米国人の転売屋のお兄さん。カードを掲げながら「200ドルと交換するよ!」と声を上げていた。意図が理解できず、カードコレクションの趣味もない私は、ただのチラシぐらいしにか思わず、無造作にポケットに突っ込んでいた。
つまり紙切れ同然と思っていたのだ。このときは、まだスタジアム内の異変に気付けていなかった。その後、ロス在住邦人の知人たちと合流して試合を観戦していると、彼らが前の座席に座る老人男性に声をかけようとしていた。
「このおじいちゃんは絶対にONE PIECEなんて興味ないよね。ビールをごちそうしたら、カードを譲ってくれるかな」