国内

【宝塚ボーガン殺人事件】頭蓋骨の中でも比較的柔らかい側頭部を狙い、ボーガンの矢の命中率を調査 初公判で分かった被告のおぞましい計画

当時の事件現場と野津英滉被告(左・時事通信フォト)

 2020年6月に兵庫県宝塚市の住宅においてボーガン(クロスボウ)を撃ち、家族3人を殺害し、親族1人に重傷を負わせた野津英滉被告(28)の裁判員裁判初公判が9月25日に神戸地裁(松田道別裁判長)で開かれた。

 本来この裁判は2022年に予定されていたが、野津被告の心身の不調により、すべての日程が取り消されていた。事件発生から5年、ようやく始まることとなった裁判で、法廷に現れた野津被告は、ずんぐりむっくりした体型に紺色のジャージを着用。坊主頭にマスク、そして裸足にサンダルという出で立ちだったが、頭が胸元にめりこみそうなほど背筋が曲がっていた。

 そんな姿勢のせいか、罪状認否において「起訴状に間違っているところはありませんか」と裁判長に問われても「……いいえ」と答える声が異様にくぐもっている。3人いる弁護人のひとりが立ち上がり、野津被告は事件当時、心神耗弱の状態にあったことから減刑されるべきだと主張した。

 野津被告は5年前の6月4日、祖母と弟とで住んでいる自宅にて事件を起こした。朝5時、トイレに起きた祖母、好美さん(75=当時)が手を洗っているところを見計らい、側頭部めがけてボーガンの矢を放った。弟に遺体を発見されることを懸念し、すぐに遺体をひきずって、祖母の部屋のベッド下に運んだ。

 ふたたび矢を装填したのち、起床した弟、英志さん(22=同)の側頭部を狙ってボーガンを発射。矢が刺さりながらも、英志さんには動いている様子があったことから、さらに側頭部に矢を放つ。

 その後、呼び寄せていた伯母(55)が自宅にやってきたため、同じく側頭部を狙おうとしたが、伯母はヘルメットをしていたことから首付近を狙い発射。矢は頸部に命中した。

 同じく「早く来い」と呼び寄せていた母親、マユミさん(47=当時)が玄関から入ってくると、祖母や弟と同じように側頭部を狙いボーガンを発射し殺害した。

関連記事

トピックス

世界陸上の最終日に臨席された天皇皇后両陛下と愛子さま(時事通信フォト)
《雅子さまの優美な“かさね色目”コーデ》土砂降りのなか披露したライトグリーンの“親子リンクコーデ” 専門家が解説「江戸紫のスカーフとの日本伝統的な色合わせが秀逸」
NEWSポストセブン
当時の事件現場と野津英滉被告(左・時事通信フォト)
【宝塚ボーガン殺人事件】頭蓋骨の中でも比較的柔らかい側頭部を狙い、ボーガンの矢の命中率を調査 初公判で分かった被告のおぞましい計画
週刊ポスト
田久保真紀市長が目論む「逆転戦略」は通用するのか(時事通信フォト)
《続く大混乱》不信任決議で市議会を解散した伊東市の田久保真紀市長 支援者が明かす逆転戦略「告発した市議などを虚偽告発等罪で逆に訴える」
週刊ポスト
古い自民党長老政治の再生産か(左から岸田文雄氏、林芳正氏、加藤勝信氏/時事通信フォト)
《自民党総裁選》小泉陣営に飛び交う「進次郞内閣」の閣僚・党役員人事リスト 岸田文雄氏が副総理兼外相、林芳正氏は財務相、官房長官は加藤勝信氏が“内閣の骨格”か
週刊ポスト
2022年市長選当選時の田中甲・市川市長
田中甲・市川市長、政治資金報告書の会計責任者に“勝手に元秘書の名義を使った”疑惑 元秘書は「全く知らない」、市長は「連絡を取っていますよ。私は」と証言に食い違い
週刊ポスト
青ヶ島で生まれ育った佐々木加絵さん(本人提供)
「妊活して子どもをたくさん産みたい…」青ヶ島在住の新婚女性が語る“日本一人口が少ない村”での子育て、結婚、そして移住のリアル
NEWSポストセブン
祭りに参加した真矢と妻の石黒彩
《夫にピッタリ寄り添う元モー娘。の石黒彩》“スマホの顔認証も難しい”脳腫瘍の「LUNA SEA」真矢と「祭り」で見せた夫婦愛、実兄が激白「彩ちゃんからは家族写真が…」
NEWSポストセブン
高市早苗氏はどうなるのか(写真/EPA=時事)
自民党総裁選を優位に進める小泉進次郎氏、悩ましいのはライバル高市早苗氏の処遇 実権をもたない“名ばかり幹事長”に祭りあげる構想も
週刊ポスト
群馬県前橋市の小川晶市長(42)が部下とラブホテルに訪れていることがわかった(左/共同通信)
《目撃者が明かす一部始終》「後ろめたいことがある人の行動に見えた」前橋・女性市長の“ラブホ通い詰め”目撃談、市議会は「辞職勧告」「続投へのエール」で分断も
NEWSポストセブン
本誌記者の直撃に答える田中甲・市長
【ダミー出馬疑惑】田中甲・市川市長、選挙でライバル女性候補潰しのために“ダミー”の対立女性候補を“レンタル”で擁立した疑惑浮上 当の女性は「頼まれて出馬したのか」に「イエス」と回答
週刊ポスト
崖っぷちの同級生コンビ(左から坂本勇人、田中将大)
巨人・阿部監督を悩ませる田中将大&坂本勇人のベテラン同級生コンビ 士気に関わる“来季の年俸” OBは「チームの足かせになっているのは間違いない」
週刊ポスト
「週刊ポスト」本日発売! 「進次郎内閣」の長老支配「閣僚名簿」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「進次郎内閣」の長老支配「閣僚名簿」ほか
NEWSポストセブン