後悔していることを語る倉田真由美さん

葬儀の話は元気な時にしておけばよかった 

 もう一つ、倉田さんに悔いが残っているのが「葬儀」のことだ。 

「葬儀社からの最初の見積もりは780万円でした。夫は映画関係の仕事をしていたので、通夜振る舞いにポップコーンを出したのですが、50皿で11万円ですよ。最終的には500万円でしたけど、総費用の目安くらいは決めておけばよかった。 

 そもそも葬儀について、夫と話したことがなかったんです。どんな葬儀がよかったのかわかりません。生前、それもまだ元気なうちに話しておけたらよかったと思います」 

 いくつかの悔いを抱えているが、その中でも「やろうと思えばできたのに、やらなかったこと」が一番心に引っかかっているという。 

叶井俊太郎さんの葬儀には多くの弔問客が訪れた

15年で一度もケンカはしていない 

 新著には在宅緩和ケア医の萬田緑平氏による「在宅ケア&看取り」に関する解説や倉田さんとの対談も収録されている。これまで2000人以上の在宅での看取りを行ってきた萬田氏は、「元気なうちから」家族に感謝を伝えておくことの大切さを挙げている。倉田さんもうこう語る。 

「普段から、誰に対してもいいと思ったことは相手に伝えるようにしています。これは夫に対しても同じ。夫とは15年連れ添ってケンカは一度もしたことがないんです。私にとっては最高の夫で最高の父ちゃんでした。 

 折に触れて『あんたと結婚してよかった』『あんたが夫でよかった』と、直接言葉にして伝えてきたので、その点では後悔はありません」 

◆倉田真由美 
くらた・まゆみ/1971年福岡県生まれ。漫画家。“くらたま”の愛称で多くのメディアでコメンテーターとしても活躍中。一橋大学卒業後『だめんず・うぉ~か~』で脚光を浴び、多くの雑誌やメディアで漫画やエッセイを手がける。最新著『夫が「家で死ぬ」と決めた日 すい臓がんで「余命6か月」の夫を自宅で看取るまで』が9月26日に刊行。 

写真提供/倉田真由美さん 撮影/五十嵐美弥 ヘアメイク/大嶋祥枝 取材・文/桜田容子

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