衝撃的な発言だ。2000万円はA子さんに渡した金額なのか。後援会関係者に話を聞くと、こう説明した。
「田中氏のポスターやA子さんのポスター印刷代など田中氏とA子さんの選挙経費などを合わせて2000万円くらいかかり、田中氏個人と田中氏の経営する会社を通じて用意された。そのなかには、仲介者を通じて現金で支払った女性候補への謝礼も含まれています」
音声データには田中市長のこんな発言もあった。
「あの時は言われた金額をきっちり払ったんだから。きちっと山分けしてるのか?」
こうしたやり取りを聞く限り、田中市長は、自身が否定したA子さんへの出馬依頼や資金提供に関わっていたことを認めているのではないか。
改めて、田中市長に音声の内容を問うと、次のようにメールで回答した。
「私が、本年4月X日(回答内では実際の日付)、B(回答内では実名、以下同)を含む3名と面会したことは事実です。しかしながら、当該会合における私の発言とされる内容は、私が『2馬力選挙』を具体的に指示したような趣旨で発言したものではありません。
従前よりご説明申し上げているとおり、私から、直接または間接を問わず、A子候補に出馬を依頼した事実はございません。したがって、資金提供についても、『2馬力選挙』を目的とした資金提供があった事実はなく、A子候補への資金提供や出馬依頼について『私からは一切ない』との発言は真実であります。
また、上記回答の通り、私は『2馬力選挙』を具体的に指示や依頼した事実はありませんから、当然、その(市長としての)資格を有すると考えております」(広報広聴課)
潔白を主張するなら、田中市長も公の場での説明責任を果たすべきではないか。
※週刊ポスト2025年10月17・24日号