歴史ある慶應ボート部が無期限で活動休止になったことがわかった(右・Instagramより)
創部136年の慶應義塾体育会端艇(ボート)部。歴史ある同大体育会の中でも長い歴史を持つ伝統のある部だ。英国のオックスフォードやケンブリッジ、米国のイエールやハーバードの大学対抗戦と並び、世界の「三大レガッタ」と称さる「早慶レガッタ」も有名だろう。そんな慶大端艇部が、無期限の活動停止となっていたことがNEWSポストセブン取材班の取材で分かった。
その背景には、“相次いだ学生の不祥事”があるという──。
端艇部は他大学などではボート部という名称であることが多い。手漕ぎのボートに乗りスピードを競う競技で、漕ぎ手は個人やペア、8人の団体戦もある。かなりの力や瞬発力が求められる競技で、オリンピック競技としても長い歴史があり、2023年に競技名は従来のボートからローイングと改称された。
「これまで日本は五輪でメダルを獲得したことはありませんが、今の大学生ら若手には世界大会でも活躍できるレベルの選手が増え、慶應も有力選手を抱えています。なので今回の活動停止には驚きました」(慶應体育会関係者)
取材班が入手したOBら関係者らに送られた端艇部監督のメールには〈合宿ルールの弛緩などが顕在化し規律や組織運営のあり方について課題が明らかになった〉などと記載がある。しかしどんな行為を問題視したかといった具体的な説明はない。
そこで取材を進めると、ある端艇部関係者が重い口を開いた。
「実は端艇部の部員をめぐっては、近年いくつものトラブルが発覚していました。学生による性行為盗撮疑惑や、部員間の窃盗もあったと聞いています。学生が泥酔して、店に迷惑をかけるなんてこともありました。
正直、どのトラブルが活動停止の直接の引き金を引いたのかはわかりませんが、戸田界隈(※埼玉県戸田市・各大学端艇部の合宿所が集まる)で話題になっていたのは『性行為の盗撮疑惑』です」
この件は今年4月、別大学に通う“被害者”がスポーツ庁に公益通報したことがきっかけだった。