ミャンマーで詐欺グループに拉致されたクラフツォワさん(Instagramより)
国境沿いで拡大する犯罪拠点
クラフツォワさんがまずバンコクに渡航していることから、一部では犯罪組織とタイの関連性を疑う向きもあった。しかしタイ政府は「今回の拉致事件はタイと全く関連がない」と主張。「彼女はタイでいかなる暴力や強圧も受けた痕跡がなく、自らミャンマーへ向かった」と疑惑を否定している。
「近年、ミャンマーの詐欺組織の拠点は、タイの国境沿いで拡大しており、特に『KKパーク』と呼ばれる拠点では、10万人もの人が強制的に働かされている と見られています。国境付近では取り締まりが強化されており、逃走してタイへ不法入国する人が数多く報告されています。10月23日には、タイ陸軍が600人以上の不法入国者の身柄を保護した と発表しました。
今年2月には、ミャンマーの詐欺拠点で特殊詐欺の『かけ子』をさせられていたと見られる日本人の高校生の少年2名が保護されたことも記憶に新しい。巧みな罠で誘き寄せ、犯罪組織の“奴隷”とする手口は大規模化している」(同前)
今回の事件も、氷山の一角でしかないのかもしれない──。
