レフェリーだった笹崎勝巳さん(撮影/山口比佐夫)
事故後、同施設は休館が続いていた。10月下旬に岩本氏に取材したところ、「安全対策ができるまでは休館中」とした上で、「家族のことを思ってここに来た笹崎のためにも、なんとか再開したいなという思いはあります」と吐露していた。
痛ましい事故から1か月。11月中旬、岩本氏に再び話を聞いた。
「先週から宿泊の受付を再開し、安全対策をとりつつ、日帰り温泉なども11月17日から再開しました。安全面を考慮して露天風呂は閉鎖し、再開の予定はありません。温泉は内風呂の営業となります。
施設周辺を監視するカメラを設置して、クマの侵入がないかモニターで監視できるようにしております。また、巨大なクマが壊さない限り侵入できないような強固な柵に補強するなど、安全対策を順次進めております。笹崎も『お手間をかけさせてしまってすみません』なんて言っているんじゃないでしょうか」
10月27日、北上市内で笹崎さんの葬儀が行われた。葬儀には、ザ・グレート・サスケや田中将斗、伊藤薫、高橋奈七永、パンチ田原レフェリーなど、大勢の有名プロレスラーや関係者が笹崎さんを悼むために集まった。岩本氏が語る。
「『瀬美温泉』の社葬として葬儀を執り行いました。ゆかりのある仲間が参列し、奥さんやお子さんも気丈に対応されていました。(ご遺族は今は?)もうここを離れています」
笹崎さんのリング上での凛々しい佇まいは、プロレスファンの記憶に残り続ける。
