国際情報

中国による他国領支配の常套手段は漁船に偽装した軍艦派遣

 尖閣問題で日本への圧力を高める中国。他国の領土を乗っ取るのはもはや中国のお家芸ともいえる。中国がこれまでとってきた乗っ取りの手法をジャーナリストの櫻井よしこ氏が解説する。
******************************
 中国は1992年に南シナ海にある西沙、南沙、東沙、中沙諸島のすべてを「自国領である」と宣言しました。歴史的事実とも現実ともかけ離れた領有権の主張ですが、彼らは事実など一切気にしません。

 まず言葉によって中華帝国の版図を宣言し、軍事力を背景に、嘘や謀略を駆使してその実現を図る。その結果、南シナ海は、中国が実効支配してしまっています。
 
 その手法には一定の型があります。まず漁民を装った軍人を、周辺の島々や海に進出させるのです。元々の領有権を有する国々が、船を拿捕(だほ)したり「漁民」を捕らえると、それに対して海軍の軍艦を白く塗り替えて、所属を国家海洋局に移しただけの事実上の軍艦を動員して、報復もいとわないという姿勢で圧力をかけ、相手を屈服させます。
 
 中国は狡猾にも、国際社会の非難を回避するために、事実上の軍艦を派遣しながら、圧力は軍事的なものではないという形を整えています。
 この構図は、尖閣諸島で起きていることと見事に重なります。

※SAPIO2010年12月15日号


関連キーワード

トピックス

単独公務が増えている愛子さま(2025年5月、東京・新宿区。撮影/JMPA)
【雅子さまの背中を追いかけて単独公務が増加中】愛子さまが万博訪問“詳細な日程の公開”は異例 集客につなげたい主催者側の思惑か
女性セブン
連日お泊まりが報じられた赤西仁と広瀬アリス
《広瀬アリスと交際発覚》赤西仁の隠さないデートに“今は彼に夢中” 交際後にカップルで匂わせ投稿か
NEWSポストセブン
大の里の調子がイマイチ上がってこない(時事通信フォト)
《史上最速綱取りに挑む大関・大の里》序盤の難敵は“同じミレニアム世代”の叩き上げ3世力士・王鵬「大の里へのライバル心は半端ではない」の声
週刊ポスト
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《永野芽郁のほっぺたを両手で包み…》田中圭 仲間の前でも「めい、めい」と呼ぶ“近すぎ距離感” バーで目撃されていた「だからさぁ、あれはさ!」
NEWSポストセブン
元交際相手の白井秀征容疑者(本人SNS)のストーカーに悩まされていた岡崎彩咲陽さん(親族提供)
《川崎ストーカー殺人事件》「テーブルに10万円置いていきます」白井秀征容疑者を育んだ“いびつな親子関係”と目撃された“異様な執着心”「バイト先の男性客にもヤキモチ」
NEWSポストセブン
不倫報道のあった永野芽郁
《田中圭との不倫疑惑》永野芽郁のCMが「JCB」公式サイトから姿を消した! スポンサーが懸念する“信頼性への影響”
NEWSポストセブン
騒然とする改札付近と逮捕された戸田佳孝容疑者(時事通信)
《凄惨な現場写真》「電車ドア前から階段まで血溜まりが…」「ホームには中華包丁」東大前切り付け事件の“緊迫の現場”を目撃者が証言
NEWSポストセブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《離婚するかも…と田中圭は憔悴した様子》永野芽郁との不倫疑惑に元タレント妻は“もう限界”で堪忍袋の緒が切れた
NEWSポストセブン
成田市のアパートからアマンダさんの痛いが発見された(本人インスタグラムより)
《“日本愛”投稿した翌日に…》ブラジル人女性(30)が成田空港近くのアパートで遺体で発見、近隣住民が目撃していた“度重なる警察沙汰”「よくパトカーが来ていた」
NEWSポストセブン
小室圭さんの“イクメン化”を後押しする職場環境とは…?
《眞子さんのゆったりすぎるコートにマタニティ説浮上》小室圭さんの“イクメン”化待ったなし 勤務先の育休制度は「アメリカでは破格の待遇」
NEWSポストセブン
食物繊維を生かし、健全な腸内環境を保つためには、“とある菌”の存在が必要不可欠であることが明らかになった──
アボカド、ゴボウ、キウイと「◯◯」 “腸活博士”に話を聞いた記者がどっさり買い込んだ理由は…?《食物繊維摂取基準が上がった深いワケ》
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! トランプ圧力で押し寄せる「危ない米国産食品」ほか
「週刊ポスト」本日発売! トランプ圧力で押し寄せる「危ない米国産食品」ほか
NEWSポストセブン