櫻井よしこ一覧

【櫻井よしこ】に関するニュースを集めたページです。

安倍首相が黒川氏をどうしても検事総長にしたかった事情とは
安倍首相が黒川氏をどうしても検事総長にしたかった事情とは
 官邸肝煎りといわれた検察庁法改正は、ネットの炎上や検察OBの反対表明を受けて、あっという間に衆院採決見送りに追い込まれた。そればかりか渦中の黒川弘務・東京高検検事長は自粛下で賭け麻雀に興じていたことが発覚し、辞任に追い込まれた。この問題を追及してきたジャーナリスト・森功氏が、その内幕に迫った。(文中敬称略) * * * 首相の安倍晋三があれほど拘っていた今国会の法案成立を諦めたのはなぜか。その最大の理由の一つが、5月15日の「言論テレビ」だと見ていい。ジャーナリストの櫻井よしこがインタビュアーを務めるネット番組に対する想定外の反響である。 首相本人が番組に登場し、櫻井が1月31日に閣議決定した黒川弘務・東京高検検事長の定年延長について、こう尋ねた。「ぜんぶ法務省から官邸にもってきたものですね。(官邸は)なんら働きかけていないのですね」 そう振られた首相は、待ってましたとばかりに「ハイ」と明言。黒川の定年延長は法務省が決めた案に従っただけだというわけだ。官庁に責任を押し付ける常套手段は、インタビューで用意された想定問答なのだろう。 しかし、今度ばかりは勝手が違った。黒川人事に官邸が関与していないなんて誰も信じない。これが世論の火に油を注ぐことになり、身動きがとれなくなったのである。「官邸の守護神」と異名をとる黒川の事務次官時代は、モリカケ問題の時期に重なる。加計学園問題で文科大臣の下村博文の裏献金疑惑、森友学園問題では財務省の役人たちによる公文書の改ざんまで発覚し、いずれも検察の捜査は不発に終わった。黒川がどう立ち振る舞ったかは明らかになっていないが、首相官邸が恩義を感じてきたのは間違いない。 黒川については、これまでも法務検察の案を覆す人事が度々おこなわれてきた。なかでも今回は耳を疑うような人事介入だといえる。 実は、その前兆は昨年11月に遡る。このとき法務省が、今年2月8日に63歳の定年を迎える黒川東京高検検事長の後継人事案を提出した。新たな検事長に据えようとしたのが、現名古屋高検検事長の林真琴だ。 黒川と司法修習35期の同期である林は、検事総長を争うライバルと目されてきた。東京高検検事長は検事総長の待機ポストと位置付けられ、この時点で法務検察は黒川ではなく、林を総長に据える意思を官邸に示したことになる。 だが、首相官邸はこれを差し戻した。「黒川を検事総長として処遇するように」と伝えたと聞く。検事総長の稲田伸夫が黒川の63回目の誕生日である2月8日の前に退任し、後継総長として黒川が1月中に就任するというシナリオである。 しかし、稲田は退任せず、そのシナリオは頓挫。挙げ句、安倍政権は検察庁法に存在しない検事の定年延長を1月31日に閣議決定する。そして今国会でそれをあと付ける最長3年の定年延長の法改正を持ちだしたのである。 そこからネット上で反対運動が盛り上がると、流れを引き戻そうと、櫻井インタビューを画策。皮肉にもネット番組で墓穴を掘ってしまった。 定年延長という浅はかな発想を持ちだしたのは誰か、あと付けの法改正をしようとしたのは誰か。いまや官邸内はその責任追及で火花を散らしているという。ある官僚に聞くと、こう打ち明ける。「黒川といえば、一般に菅(義偉)官房長官に近いイメージがあるかもしれません。しかし、菅さんは昨秋以降、重要決定の場から外され、総理から遠ざけられています。黒川さん自身他に官邸人脈がありますから、動いたのはそちらでしょう」 検察庁法改正の見送りの判断については、首相と官房長官が差しで話し合って決めたともいわれる。“官邸内政局”が勃発していると伝えられる。◆「花見の会」の疑惑「安倍総理は法務検察という組織をぜんぜん理解していませんね。法務省と検察庁は別の組織ですから」 数々の疑獄事件を手掛けたある検察OBに聞くと、一連の動きについてそうつぶやいた。安倍首相は、検察官も他の国家公務員と同じ行政官なのだから、国公法に定められている定年延長を認めるべきだ、と念仏のように唱えてきた。だが、それは明らかに違う。 一口に法務検察といわれる組織は、行政官庁である法務省と独立性を担保されてきた検察庁に分かれる。 その検察庁の元をたどれば、明治時代の大日本帝国憲法下、裁判所内の「検事局」として発足している。終戦を迎え、裁判所法と検察庁法が整備され、裁判所から分離して今の検察庁と改編された。このとき検察官定年を63歳と定め、検事総長を65歳とした。 一方、国家公務員法は検察庁法に遅れて47年5月に制定され、ずっと定年はなかったが、1980年代に定年制を設け、定年延長も許されるようになる。検察官は国家公務員ではあるが、定年延長がないのは、誰がやっても捜査や起訴に公平性がなければならないからだ。 ここから検察官は独立した特例の存在となり、検察庁法が国公法より優先されることも明記された。検事総長が法務検察のトップと格付けられているのは、検察庁が法務省より上位組織であることを意味する。 だが、今度の定年延長は、官邸がそんな組織論を理解せず、検察官の人事に手を突っ込んできた結果、というほかない。 過去、安倍政権は2016年9月と2018年1月の2度、法務省人事に介入してきた。いずれも黒川のライバルの林を事務次官にしようとすると、官邸が差し戻し、林に代わって黒川が事務次官を務めてきた。したがって今度は3度目の政治介入となる。が、過去の事務次官はあくまで法務省人事であり、検察庁人事ではない。 法務省の幹部人事は他の霞が関の省庁と同じく、内閣人事局が決定権を持つ。内閣人事局を差配してきた官房長官の菅が了解していなければならなかった。そのため、この時点では菅の関与は間違いない。 だが、検察官の定年延長は、これまでの霞が関の官僚支配とは別次元の話である。検察庁のトップ人事は内閣人事局があってなお、政治の立ち入れない特別な存在として扱われてきた。 これまで何度も人事を差し戻してきた官邸が、法務省に従っただけと突っぱねるには、さすがに無理がありすぎる。「法務省が決めた」という真っ赤な嘘がバレそうになり、改正法案を引っ込めた安倍政権。ここまで「官邸の守護神」にこだわろうとする理由はなぜか。ひょっとすると、「花見の会」の疑惑を封じ込めるためだったのではないだろうか。※週刊ポスト2020年6月5日号
2020.05.22 11:00
週刊ポスト
ヤジやエア電話でお騒がせの杉田水脈議員(時事通信フォト)
杉田水脈氏 議員辞めて「アイドル保守論客」の皮算用も
 国会で選択的夫婦別姓導入を訴える野党の質問に「だったら結婚しなくていい」とヤジを飛ばしたという疑惑の渦中、記者の追及を携帯通話でかわす“エア電話”疑惑まで持ち上がった杉田水脈・衆院議員(52)。自民党関係者もさすがに呆れ顔だ。「2018年に『LGBTは生産性がない』という雑誌への寄稿が大炎上した時は、安倍首相が『まだ若いから』と庇い、党内からも擁護する声が上がった。しかし、今回はさすがに味方もいない。次の選挙では公認から外されるんじゃないか」 本人もさぞや落ち込んでいるのでは、と思いきや……。彼女と親しい保守系運動家が語る。「騒動の後に“水脈ちゃん”に連絡して『くじけないで』って伝えたら、明るく『大丈夫ですよ!』って返ってきて、全然めげてないなと(笑い)」 それには理由があるのだという。「以前、彼女に選挙のためにちゃんとした支援組織を作ったほうがいいんじゃないかと提案したら『私はそういうのはいいんです、政界に未練がないから』と言うんです。『私は将来は櫻井よしこさんみたいな保守論客になって、そこから日本を良くしたいと思っているんです』と。 つまり、議員活動というのは彼女にとってその下準備でしかない。過激な物言いも政界引退後への布石と考えれば納得がいく。炎上しても言論活動にハクが付くくらいに思っているんじゃないでしょうか。実際、僕も含め保守関係者の間では水脈ちゃんのファンが多くアイドル的存在なので、議員を辞めてもうまくいくと思います」(同前) 政治活動そのものが“エア”だということ?※週刊ポスト2020年2月14日号
2020.02.04 16:00
週刊ポスト
退席時に観客との握手に応じるトランプ大統領(時事通信フォト)
門田隆将氏が明かす「トランプ握手騒動」と「新聞という病」
 トランプ米大統領の来日を報じる数々のニュースのなかで、異彩を放ったのが大相撲観戦の後に同氏が観客と握手したひとコマに対する報道だった。当事者となった作家の門田隆将氏がレポートする。 * * * 新聞というメディアがいかに「国民の敵」となっているか。そのことをわかりやすく教えてくれる出来事が続いている。トランプ大統領の来日をめぐる報道など、その典型だろう。 この30年で防衛費を50倍まで膨張させ、第一列島線に迫り、尖閣をはじめ東シナ海や南シナ海で剥き出しの領土獲得意欲を見せている中国の存在は、日本のみならず東アジア全体の脅威となっている。 しかし、尖閣を「核心的利益」と強調し、「必要なら自国の領土(注=尖閣のこと)を武力で守る準備はいつでもできている」と繰り返す中国でも、これを「実行に移せない理由」は、ひとえに米国の存在にある。 尖閣が日米安全保障条約第5条の適用範囲であることを明言している米国の存在によって、中国はどうしてもここに「手を出すことができない」のである。 その米国の大統領であるトランプ氏が来日し、日本政府も、天皇皇后両陛下も、そして国民も、心から歓待していることが気に入らない勢力がある。いわゆる“反日日本人”たちだ。そのひとつが、日頃、中国の利益を代弁する論調で知られる朝日新聞や毎日新聞である。 朝日新聞の天声人語(5月28日付)は、安倍首相の父親の安倍晋太郎元外相のことまで例に出し、〈抱きつき、泣きつき──。トランプ氏に対する度外れた厚遇ぶりには、そんな言葉しか浮かばない。骨のある外交哲学をもった晋太郎氏が健在だったなら、ご子息の今回の仕事にどんな点数をつけるだろう〉と書いた。 天声人語子は、中国にとって最大の敵である「日米同盟」がよほど嫌なのだろう。訪日中のトランプ氏への厚遇に、ここまで感情的にケチをつけるのである。 彼らのそのひどさのトバッチリを私自身も受けてしまった。5月27日、私は毎日新聞から「本当に安倍首相の“招待”ではなかったのですか?」という電話取材を受けた。前日の夏場所千秋楽、両国国技館で金美齢さん、櫻井よしこさん、富家孝さん、そして私の4人がいた西方のマス席にトランプ大統領が退場する際、近づいてきて、私たちが握手したことがネットで騒ぎになっていたのだ。 ネット上では、私たちを「安倍首相があらかじめ招待していた」などというデタラメが拡散されていた。私は、それが事実ではないことをツイッターでこう発信していた。〈大相撲のマス席をやっと確保できたので、いつもお世話になっている金美齢さん、櫻井よしこさんをご招待して千秋楽を観戦した。退場する時、安倍首相とトランプ大統領が近づいてきて、なんとお二人と握手。隣にいた私も握手させてもらった。サービス精神旺盛のトランプ氏らしい驚きのシーンだった〉 毎日新聞は、この私のツイッターに疑念を持ち、直接、取材をかけてきたのである。私は丁寧に経緯を説明した。事実関係はこうだ。 4月12日、産経新聞がトランプ氏の大相撲観戦の予定を1面トップでスクープした。記事を見た私は、即座にコミッションドクターとしてボクシング界やプロレス界といった格闘技界、あるいは自身が慈恵医大の相撲部だったこともあり、大相撲界にも広い人脈を持つ旧知の富家孝医師にすぐ連絡し、マス席を確保してもらった。 さすがに普段より値段が高く、かなりの金額だった。私は富家氏と相談し、いつもお世話になっている金美齢さん、櫻井よしこさんのお二人をご招待することにしたのだ。 私たちのマス席は西方で通路のすぐ横。それはたまたまトランプ氏らが出入りする通路だった。朝乃山関への表彰が終わって退場する時、思わず、私たち4人が「Mr.President!」と声をかけるとトランプ氏がニコニコしながら近づいてきて、金美齢さんと握手をしてくれた。 私も手を出すと、大きな手でぐっと握ってきた。カサカサしていて、アスリートのような手だった。私は、野球選手の手のようだと思ったが、考えたらトランプ氏はゴルフの腕前がシングルなので、それはゴルフ選手の手だったのだろう。私のあと櫻井さんも握手したが、富家氏だけがしそびれてしまった。 するとそのシーンがテレビで生中継されており、「安倍首相が国民の税金を使って、自分の知り合いを招待した」などというデマがネットで流布されたわけである。私は、毎日新聞から取材を受けて、「ああ、こうやってデマは“拡散”されていくのか」と思った。いや、毎日は取材を入れてくるだけ、まだマシなのかもしれない。 しかし、毎日新聞は、彼らにとっての“疑惑”を写真つきで増幅させるような記事を書いてきた。また、相撲観戦中のトランプ氏を揶揄(やゆ)するような記事(〈トランプ氏大相撲観戦 手をたたく姿皆無、腕を組む場面も 観客「何を考えたのだろう」という声も〉5月26日18時40分)も書いた。 要するに彼らは日米の蜜月にどうしても冷水を浴びせたいのである。このトランプ氏への厚遇に、毎日新聞が〈長期の国益にかなうのか〉という社説を掲げた(5月28日付)のも頷ける。 彼らの“願い”どおり、仮に中国が日米関係に楔を打ち込むことができれば、「その時」から尖閣をはじめ、日本の危機は始まる。そのことがわかっているからこそ、国民はトランプ氏を大歓迎し、天皇皇后両陛下も温かく出迎えた。 明らかに中国サイドに立ってきた朝日新聞や毎日新聞には、逆にこれらがどうしても気に入らないのである。トランプ氏に対する歓待ぶりに、いちいち皮肉に満ちた否定的な報道を展開している所以がそこにある。 覇権国家・中国の利益を願い、中国に「愛(う)いヤツ」と頭を撫でられ、ひたすら彼(か)の国の国益に叶う記事を書きつづける日本の新聞。そんな日本の新聞はネットの発展と共に、国民に呆れられ、窘(たしな)められ、部数を激減させてきたのである。 私はこのほど、『新聞という病』を産経新聞出版から上梓した。日本にとって、新聞がいかに「国民の敵」になっているかという実態を炙り出し、これに絶対に騙されないための本である。 私は、世の新聞記者たちに聞きたい。「もし中国に先にトランプ氏が搦(から)めとられていたとしたら…、というのを想像したことがありますか」と。 この「安倍―トランプ」の関係が、もし「習近平―トランプ」だったら、どうなるのかということである。日米の強固な同盟関係に中国は歯ぎしりしている。米中貿易戦争まで発展している現状と、日本と米国との関係のあまりの「差」に地団駄を踏んでいる。 朝日新聞や毎日新聞ならいざ知らず、まともな感覚を持つ日本国民として、中国を喜ばせる報道をつづける「その先」をどう想像しているのか、という意味でもある。私は、国民の思いや利益に相反する日本のこうした新聞が、果たして今後、「生き残ること」ができるのだろうか、と思う。 私自身が巻き込まれた騒動で、日本の新聞がなぜ「国民の敵」なのか、より明確になった。拙著『新聞という病』で、皆様には、是非、そのことを確認していただきたく思う。  
2019.05.29 07:00
NEWSポストセブン
加藤綾子アナ、夕方ニュース抜擢で乗り越えるべき「弱点」は
加藤綾子アナ、夕方ニュース抜擢で乗り越えるべき「弱点」は
 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は4月からの夕方のニュース番組に抜擢された加藤綾子アナについて。 * * * カトパンこと、フリーアナウンサーの加藤綾子が4月から古巣であるフジテレビで、夕方のニュース番組のメインを務めることになったと、4日、スポーツ紙が一斉に報じた。  同局社長の肝いりで、全時間帯のニュースに「プライム」のタイトルがついていた中でも、BSフジで人気を博していた反町理解説委員が出演する『プライムニュース イブニング』はメインといっても過言ではない枠だった。 が、「NHKの麿」こと登坂淳一氏が過去のセクハラ問題を理由に開始直前、降板。女性視聴者に人気の高い「麿」がいれば、反町氏が活きたであろうに、同氏がメインでは、女性視聴者には少々ツラかったと思う。◇夕方の帯ニュースは激戦区 夕方の帯ニュースは、視聴率のいい順に、日本テレビの『news every.』が藤井貴彦アナ、テレビ朝日の『スーパーJチャンネル』が、渡辺宣嗣・元アナ、TBSの『Nスタ』は井上貴博アナがメインを務めている。『~every.』の魅力は、サブキャスターの陣内貴美子氏や、日テレのOBアナらが「No.1」とその実力を評価している鈴江奈々アナ、さらにはオバちゃんキャラ炸裂の小西美穂キャスターら、チームワークの良さと明るさが高視聴率に結びついている。『~Jチャンネル』は、『ニュースステーション』の久米宏氏をリスペクトし、同局の朝ワイドから『朝まで生テレビ』までを仕切ってきた渡辺・元アナと、コメンテーターの大谷昭宏氏、萩谷順氏らが醸し出す安定感と信頼感。さらには、テレ朝自慢の若手美人女子アナがサブに着くバランスの良さが魅力だ。『Nスタ』は、『みのもんたの朝ズバッ!』で鍛えてきた井上貴博アナと、バラエティーでも賢さを発揮するホラン千秋、さらには國山ハセンアナ、熊崎風斗アナと、構えは若いが、コメンテーターや気象予報士に“おじさん”を据えることで視聴率を上昇させている。 カトパンは、この激戦区に参戦するというワケなのだが、人気抜群の彼女をメインに据えたからといって、すぐに視聴率がアップするかといったら、それは「NO」だろう。 かつてTBSが、局の顔であり、バラエティー、料理番組から番宣番組に至るまで起用してきた小林麻耶さんがフリーになったタイミングで白羽の矢を立てた『総力報道!THE NEWS』に“事情”が似ているのも気になる。当時、TBSでは19時台の人気バラエティー番組を別枠に“御引越”をさせてまでスタートしたのに、キャスター・小林麻耶さんがお茶の間になじむ前に、視聴率が振るわなかったことを理由に、わずか一年で終了してしまった。 超人気アナウンサーだった小林麻耶さんではあるが、番組のメイン視聴者であるF3(50才以上の女性)からウケなかったのだ。当時、同局の局員や出演者らが、「女性も、リタイアしたオジサンたちも、三雲孝江さんが好きで見ていたのに、それを麻耶ちゃんに替えるとは冒険が過ぎる」などと言っていたのを思い出す。政治家にインタビューしたり、取材に出たりもしていたのだが、彼女には荷が重すぎたということなのか。そしてスタジオでも空回りする場面が多かったのである。◇ファッション、“笑顔”など課題は山ほどある  カトパンは、局アナ時代、『めざましテレビ』のメインを務め、高視聴率を稼いでいたけれど、歴代の八木亜希子アナはもちろん、小島奈津子アナや木佐彩子アナ、高島彩アナららと比較して、カトパンが「ちょっと違う」のは、女性視聴者ならわかるだろう。そう、カトパンは、例の先輩女子アナの中では、僅かではあるが、女性人気が低め。彼女自身、入社試験のときから「コンプレックス」だったという音大出身というのもまた不安要素だ。  まだ、共演者が発表されていないが、まず必要なのは、女性に好感度が高く、コメント能力に優れた“おじさん”の起用。そして、同じく女性に人気の女子アナや気象予報士の起用だろう。「ニュースキャスター」だというなら、ファッションやヘアメイクにも気を使わなければならない。報道局制作の番組では、バラエティー番組や音楽番組のように華やかな衣装は着られないし、カトパンの衣装で比較的多いと感じる“ノースリーブ”もNGだ。 これで思い出されるのは、『あさチャン』(TBS系)開始当初の夏目三久である。早朝の報道番組なのに、モード系ファッションにベリーショートだった夏目アナ。特にストッキングではなくソックスを履いて出てきたときは、“個性”だと受け入れる人はとても少なく、特にオバサン視聴者からは敬遠された。果たして、いまの彼女は、コンサバに近い女性キャスターファッションだ。 続いては“カトパン・スマイル”。担当してきた番組の特性も関係しているが、彼女は笑顔の比率がとても高い女子アナだ。が、それもニュース番組では控え目にしなくてはならないだろうし、何より、ニュースキャスターを名乗るなら、笑顔でリアクションするよりも先に自分の意見をその都度、述べることが必要になってくる。 実は、“局アナあがり”のキャスターが、もっとも不得手としているのがこれなのである。 アナウンサー時代は、極力、自分の意見を控えるように指導されているため、フリーになっても、バラエティー番組でさえ自分の意見を自由に発表できないアナをこれまで何人も見てきた。  一見、なんでもオープンに話せそうに見えるタイプの女子アナでさえ、いざ、自分が話す段になると、質問者に“質問返し”をしてしまったり、驚くほどフツーの意見に終始してしまったりするのだ。  そして気が付くと、司会者でもないのに司会者になってしまっている。つまり、ゲストなのに、仕切り始めてしまうのである。いわゆる“裏まわし”ならまだいいが、メインと同様のポジションになりがちな人が多い。  カトパンは、帯のニュース番組のメインキャスターになるので、ある意味、“司会者”でもいいのかもしれないが、ただ上手に仕切っているというだけでは、「自分の意見はないの?」などと、すぐに視聴者には飽きられてしまうのではないか。  そして、「カトパン、夕方帯のニュースキャスターへ」との報道があった直後から、フジテレビ局内でも「どうするの?」とザワついているのが、『ホンマでっか!?TV』や『MUSIC FAIR』『FNS歌謡祭』などの出演である。イベントのゲストやCMなども今後は控えなければいけないのかもしれない。 さらには、頻度はまだわからないが、取材に出る機会もあるだろうし、何か大きな事件や事故があったら、それが地方であっても、海外であっても、メインキャスターがその役割を担わなければならないハズ。  ここにも少し不安がある。それが視聴者にどう伝わっているかは別として、ヘリコプターから中継しているときがもっとも輝いている(と私には見える)安藤優子キャスターや、穏やかな口調ながら取材対象者にグイグイ切り込んだ櫻井よしこキャスター。いまよりもっと男性社会だった報道局で取材テープを自ら編集して伝えてきた吉川美代子キャスターら、往年のニュース番組を仕切ってきた諸先輩らに比べると、カトパンは意外と“押し”が弱いタイプにも見える。 いずれにせよ、激戦区の夕方の帯ニュースをメインで仕切るとなれば、彼女のライフスタイルは一変するだろう。たとえば、かつて、BSフジで件の反町理キャスターと『プライムニュース』を仕切っていた八木亜希子アナは、美容院でも鏡の前に何紙もの新聞を広げて読みふけっていたものだ。 ここまで、カトパン、カトパンと書いてきたが、今後はそう呼べなくなるぐらい、“加藤綾子キャスター”が“ニュースな女”になることを個人的には期待しているところ。 カトパン参入で、4月以降、夕方の帯ニュースはさらに激戦区になることは間違いなさそうだ。
2019.02.08 07:00
NEWSポストセブン
38度線は対馬まで下がる 南北統一朝鮮は金正恩の思うがまま
38度線は対馬まで下がる 南北統一朝鮮は金正恩の思うがまま
 東アジアにおいて、日本を取り巻く環境が厳しさを増しているなか、我が国は相変わらず憲法9条に縛られたまま、自力で自国を守ることすらできない。与党は衆参で3分の2以上の議席を確保しているものの、改憲に本気なのは少数の議員に限られていると櫻井よしこ氏は危惧する。 * * * 憲法改正に向けた機運が弱まってきた背景には、朝鮮半島の融和ムードによる影響が考えられますが、これは大きな勘違いです。 今、韓国の文在寅大統領が躍起になっている南北統一の形は、金日成の時代から北朝鮮が主張し続けてきた連邦政府の樹立と同じです。 南と北が対等の立場で連邦政府を作る。例えば北と南が100人ずつ国会議員を出すとすると、北の100人が金正恩の意向に沿うことは言うまでもありませんが、南の100人もそのうち半分は北朝鮮の情報工作によって洗脳されていますから、すべての法案、すべての決定は北朝鮮の思うがまま、というのが北朝鮮の考えていることです。 南北統一政府は「戦争は終結したのだから、国連軍はもういらない」と主張し、朝鮮半島から在韓米軍の撤退を求めるでしょう。「アメリカ第一」を掲げ、海外の米軍引き揚げに積極的なトランプ大統領は、半分くらいは朝鮮半島から撤退してもいいと考えている節があり、実際に撤退する可能性はゼロではありません。 朝鮮半島は常に中国の顔色を窺ってきた歴史がありますから、南北連邦政府ができれば、朝鮮半島は中国の影響下に置かれます。朝鮮半島問題はすなわち中国問題なのです。そしてこの状況は38度線が対馬まで下りてくることを意味します。 日本にとってまさに危機的状況であり、日本が「自立」した国家として力をつけていかなければ、中国的秩序に飲み込まれてしまいかねません。この厳しい現実を乗り越え、日本国が日本らしい国柄、文化、価値観を保っていくために、今年こそ憲法改正を実現しなければならないのです。●さくらい・よしこ/新潟県長岡市出身。ハワイ州立大学卒業。元日本テレビ「きょうの出来事」キャスター。1995年、『エイズ犯罪 血友病患者の悲劇』で大宅賞受賞。執筆・講演活動を続ける一方、インターネット放送「言論テレビ」を運営中。最新刊は『韓国壊乱』(PHP新書、共著)。※SAPIO2019年1・2月号
2019.01.27 07:00
SAPIO
櫻井よしこ氏「米中対立はどちらかが倒れるまで続いていく」
櫻井よしこ氏「米中対立はどちらかが倒れるまで続いていく」
 日本を取り巻く環境が厳しさを増している。だが、我が国は相変わらず憲法9条に縛られたまま、自力で自国を守ることすらできない。櫻井よしこ氏は、日本がすがるアメリカと中国との対立は長期化すると言い、憲法改正の必要性を訴える。 * * * 日本を取り巻く国際情勢はかつてないほど厳しさを増しています。 米中対立は基本的に中長期的にわたって続き、さらに深刻化していくことが予想されます。トランプ政権の一連の動きを見れば、米国が問題視しているのが貿易赤字だけではないことがわかります。知的財産の不正入手、企業の最先端技術を提供させるなどの不公正な取引、発展途上国に対する「債務の罠」、そしてチベットやウイグルへの弾圧をはじめとする人権問題。これらはすなわち共産党による一党独裁体制、中国のあり方そのものです。 中国の経済成長の基盤は知的財産を盗むことで成り立っており、これをやめるわけにはいきません。また、中国の国防費は表向きで約15兆円、実際にはその1.5倍から2 倍と見られていますが、それと同等かそれ以上の予算を割いているのが武装警察やサイバーポリスといった国内治安対策です。これほどのお金を投入して、激しい弾圧を加えることによって中国共産党はようやく国内の不満を押さえ込んでいるのです。 人権問題の改善は共産党の一党支配の崩壊につながりますから、根本のところで中国が米国と妥協することは絶対にあり得ません。 2018年12月、トランプ大統領と習近平主席がG20で会談し、貿易摩擦の「一時休戦」をアピールしましたが、その一方で米国はカナダに要請し、中国の通信機器大手「華為技術(ファーウェイ)」の創業者の娘で最高財務責任者(CFO)の孟晩舟氏を逮捕しました。 一時的に対立を回避するようなポーズを見せながらも、米中対立はどちらかが倒れるまで続いていくでしょう。 中国側はトランプ政権はあと2年、再選されても6年で終わることを見越していますし、景気の悪化などで米国内での国民の不満が高まれば、トランプ政権は政策を変えると読んでいます。一党独裁体制の中国とは違い、民主主義国家は弾圧で国民を押さえ込むことはできないからです。 習近平は「今はじっと我慢する時」と考え、日本に対して盛んに秋波を送っていますが、やっていることはまったく変わっていません。それは尖閣諸島への領海侵犯を続け、東シナ海の日中中間線付近で新たなガス田の掘削を始めたことからも明らかです。 2017年10月の共産党大会で、習近平は3時間20分にわたる大演説を行い、中国は2035年までに世界一の経済大国になり、建国100年に当たる2049年までには軍事力でも米国を追い抜いて、「国際社会の諸民族の中に中華民族がそびえ立つ」と言いました。 中国共産党の価値観を世界に浸透させて、その教えの下で人類運命共同体を築き上げる。逆らう者は徹底的に弾圧する。このような中国の野望、中国が描く世界秩序を決して実現させてはなりません。 米中対立において、日本が米国側に立つのは当然のことです。さらに長い歴史の中で育んできた人間重視の穏やかな価値観をもとに、独自の旗を立てて国際社会の中で大きな役割を果たしていくべきだと思います。 そのためにも、日本は節度と責任ある民主主義国家として、憲法改正を実現し、国の基盤である経済力と国防力を整えていかなければならないのです。●さくらい・よしこ/新潟県長岡市出身。ハワイ州立大学卒業。元日本テレビ「きょうの出来事」キャスター。1995年、『エイズ犯罪 血友病患者の悲劇』で大宅賞受賞。執筆・講演活動を続ける一方、インターネット放送「言論テレビ」を運営中。最新刊は『韓国壊乱』(PHP新書、共著)。※SAPIO2019年1・2月号
2019.01.18 07:00
SAPIO
櫻井よしこ氏、世界で一つの変な憲法の改正は今が最後の好機
櫻井よしこ氏、世界で一つの変な憲法の改正は今が最後の好機
 日本を取り巻く環境が厳しさを増している。だが、我が国は相変わらず憲法9条に縛られたまま、自力で自国を守ることすらできない。櫻井よしこ氏は今が憲法改正の最後のチャンスだと訴える。 * * * 日本国憲法は、国の交戦権さえ認めない恐らく世界でたったひとつの変な憲法です。 日本が国民、国家、国土を自分の力で守る力を持つ「自立」した国になるために、一刻も早く憲法を改正する必要があります。しかし、安倍政権下で期待された憲法改正の発議は、今に至ってもなお実現していません。 その最大の理由は、政党および国会議員のあまりの無責任さにあります。とりわけ公明党は与党でありながら、「議論が熟していない」と憲法改正に背を向けています。 2000年には憲法調査会が設置され、2007年に憲法改正の原案作成を任務とする憲法審査会ができました。憲法改正に向けた作業はすでに20年近くも続いているにもかかわらず、なぜ時期尚早なのでしょうか。 しかも安倍首相が提唱した、9条1項と2項を維持したまま自衛隊の存在を憲法に書き込む案は、2004年に公明党が言い出し、2014年に公約とした「加憲案」そのものです。公明党が議論を進めようとしないのは、国益よりも党勢の維持・拡大、「選挙に負けない」という党益に走っているからに他なりません。「モリ・カケ問題」や「外国人人材法案」をタテに、衆参両院の憲法審査会に応じてこなかった立憲民主党や国民民主党など、野党の無責任さは言わずもがなです。立憲民主党の枝野幸男代表は民主党時代、憲法改正すべしという論文を『文藝春秋』に掲載しました。ならば正々堂々と憲法改正論議に応じるべきで、「安倍政権には憲法改正させない」というのは、まさに政局レベルでしか物事を見ていない証拠です。氏には政治家としての信念はどこに行ったのかと問いたいと思います。 国会議員のなかで本気なのは安倍首相を筆頭に少数の議員に限られるのではないか。肝心の自民党さえも、党全体の状況を見ると、その動きは消極的に見えます。 仮に野党の妨害で憲法審査会が動かなくても、実は発議は可能です。国会法68条の2は衆議院で100人以上、参議院で50人以上の賛成があれば改正案を上程できると定めています。改正案が国会に提出されれば、国会法102条の6によって、憲法審査会には審査を行う義務が生じます。 憲法改正を実現するために、国民の意思を問う機会を作ることこそが国会の責務であるはずです。それを怠っている国会議員は自らの責務を放棄しているに等しいと言わざるを得ません。 憲法改正には衆参両院で3分の2以上、さらに国民投票で過半数の賛成を得る必要があります。与党が3分の2を大幅に上回っている衆議院はともかくとして、参議院では自民党が126、公明党が25、日本維新の会が11議席で合計しても162。ぎりぎり3分の2に達するという薄氷を踏むような状況です。 今年7月には参議院選挙があり、改正に賛成する議員で3分の2を確保できる保証はありません。 現実的に考えれば、今が憲法改正の最後のチャンスなのです。●さくらい・よしこ/新潟県長岡市出身。ハワイ州立大学卒業。元日本テレビ「きょうの出来事」キャスター。1995年、『エイズ犯罪 血友病患者の悲劇』で大宅賞受賞。執筆・講演活動を続ける一方、インターネット放送「言論テレビ」を運営中。最新刊は『韓国壊乱』(PHP新書、共著)。※SAPIO2019年1・2月号
2019.01.13 07:00
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櫻井よしこ氏「韓国とは悪い関係でなければ幸せ、程度でOK」
櫻井よしこ氏「韓国とは悪い関係でなければ幸せ、程度でOK」
 約束を守らない、法律より感情を優先する、歴史を捏造する──そんな韓国のやり口に日本は振り回されてきた。厄介極まりない隣人に我々はどう接すべきか。ジャーナリストの櫻井よしこ氏が提言する。 * * * 韓国は1990年代に入って慰安婦や徴用工の強制性や個人請求権などを声高に主張し始めました。理由は簡明で、日本の国力が落ちて中国が伸びてきたからです。 日本が中国に比べて圧倒的に豊かで技術力でも優位に立っていた時代には韓国は文句を言いませんでした。バブル崩壊で日本の勢いが衰え、中国が改革開放で力をつけるにしたがって韓国は中国寄りになっていきました。常に強い者に寄り添って生き延びてきたのが朝鮮半島です。 昔から中国の事実上の属国だった韓国の人々は中国を過度に怖れる一方、日本に対しては歴史を捏造してまで優位に立とうとします。虚偽の優位性は彼らの生きるよすがでしょうか。歴史において間違いを犯せば、率直に謝って償う気持ちを日本人は持っています。しかし、いわれのない非難に対してひれ伏す理由はありません。 問題解決の第一歩は、日本がもっと強くなることです。繁栄していて強ければ、日本への批判はあからさまな形で出てくることはないでしょう。また、韓国の無茶な主張に屈せず、理路整然と事実を示して冷静に「それは違う」と言い続けることも大切です。事実を基にした論争ではこちらが絶対に強いのですから。 韓国にあまり期待しないことも大事です。“絆を深めよう”とは考えずに、“悪い関係でなければ幸せ”くらいの気持ちでいればいい。 文在寅大統領は一貫性がなく、言うことがコロコロ変わります。過去の発言との整合性を気にせず、矛盾したことをよく口にする人物ですから、彼の言葉を信用しないことが大切です。両政府が合意したゴールポストは1ミリも動かしてはなりません。 困るのは、朝日新聞をはじめ、日本側に韓国と一緒になってゴールポストを動かそうという勢力が存在することです。「日本はもっと韓国と真摯に向き合うべき」が彼らの常套句ですが、その言葉をそっくりそのまま文大統領に向けてほしいものです。●さくらい・よしこ/新潟県長岡市出身。ハワイ州立大学卒業。元日本テレビ「きょうの出来事」キャスター。1995年、『エイズ犯罪 血友病患者の悲劇』で大宅賞受賞。執筆・講演活動を続ける一方、インターネット放送「言論テレビ」を運営中。※SAPIO2018年3・4月号
2018.03.12 07:00
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日韓基本条約 公開資料から読み取れる日本の真摯な交渉
日韓基本条約 公開資料から読み取れる日本の真摯な交渉
 約束を守らない、法律より感情を優先する、歴史を捏造する──そんな韓国のやり方に日本は振り回されてきた。厄介極まりない隣人に我々はどう接すべきか。ジャーナリストの櫻井よしこ氏が提言する。 * * * 今年1月、慰安婦日韓合意を再検証した文在寅大統領は、「日本が真摯に謝罪すれば元慰安婦のお婆さんたちの納得が得られる」と語り、事実上、日本側に重ねての謝罪を要求しました。 2月に平昌五輪開会式に出席するため韓国入りした安倍晋三首相は文大統領と会談し、合意の履行をあらためて求めましたが、文氏は「合意は破棄しない」と述べる一方で、朴槿恵政権の手続きに問題があったと主張するなど、日本側の疑念は払われていません。 慰安婦合意は米国が仲介して岸田文雄外相と尹炳世外交部長官が記者会見で「最終的かつ不可逆的に解決」したことを公式に宣言したものであり、約束を違えているのは韓国です。 そもそも戦後補償問題は1965年の日韓基本条約と同時に締結された日韓請求権協定で完全に解決しています。 反日色が強かった盧武鉉大統領は2005年、日韓基本条約締結にいたる交渉の議事録を公開させました。交渉の不備を指摘したうえで、補償問題は未解決だと主張して日本に元徴用工への賠償金を支払わせる意図があったのは明らかです。 韓国が公開した議事録は3万5000ページ超。当初、日本政府は公開を控えていましたが、韓国の動きに合わせて6万ページを超える資料を公開しました。それらから読み取れたのは、日本がいかに真摯に交渉していたかでした。 日本側は元徴用工への謝罪の意を表明し、被害者へ直接補償する意向を伝えましたが、韓国側は元徴用工への補償を含む賠償金をまとめて政府に払ってほしいとの要望を繰り返しています。韓国政府が賠償金を受け取った後に元徴用工たちに個別支給するという方式です。 その主張を受け入れた日本政府は韓国に5億ドルを供与しました。まだ日本は貧しかったため、その額は外貨準備高の3分の1近くに達し、10年年賦で支払いました。その資金で韓国はインフラを整備して、「漢江の奇跡」を成し遂げたのです。日本側の誠意が巧まずして交渉の議事録から明らかになった結果、あの反日の盧武鉉大統領でさえ、賠償金請求を諦めざるを得ませんでした。 しかし、そもそも慰安婦の「強制連行」も徴用工の「強制動員」も事実ではありません。実際、朝鮮総督府で官吏を務めた西川清氏の証言が収録された『朝鮮総督府官吏 最後の証言』や、ビルマやシンガポールで慰安所の帳場人をしていた朝鮮人の日記を読めば、韓国側の主張がいかに荒唐無稽かわかります。●さくらい・よしこ/新潟県長岡市出身。ハワイ州立大学卒業。元日本テレビ「きょうの出来事」キャスター。1995年、『エイズ犯罪 血友病患者の悲劇』で大宅賞受賞。執筆・講演活動を続ける一方、インターネット放送「言論テレビ」を運営中。※SAPIO2018年3・4月号
2018.03.08 07:00
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香山リカ氏と櫻井よしこ氏が考える“介護食”で大事なこと
香山リカ氏と櫻井よしこ氏が考える“介護食”で大事なこと
 親も自分も元気だったら、「食べたいものを死ぬまで食べたい、食べさせたい」と笑って話せるだろう。しかし、いざ親が要介護になると、家族は親に食事制限を強いてしまうこともある。 精神科医の香山リカさん(57才)が語る。「腎臓を悪くした父に長生きしてほしい一心で、食事内容を管理していました。両親と離れて暮らしていたので、食事内容を母にFAXしてもらい、栄養素を計算して『おやつはだめ』『この内容は腎臓に悪い』と制限した。それが父には苦痛で、『そこまでして食べたくない』と食欲がなくなってしまった」 制限したことを後悔すると同時に、父がいかに食に喜びを見出していたのかも痛感した。「ラーメンが好きだった父は、最期まで『あの時のあのラーメンはおいしかったな』と昔食べた味に思いを馳せていました。おいしかった食べ物の記憶は色褪せない。だからこそ人生の終わりに食べたいものを食べられないのは悲しいですよね」 人生の終盤を迎えた親にとって、もしかしたら、ひと月先の夕食が、1週間先の昼食が「最期の晩餐」となるかもしれない。ならば好きなものをおいしく楽しく食べてほしい。とはいえ、すでに介護食を摂っている場合、常食に戻すことは可能なのだろうか。 高齢者歯科学を専門とする、東京医科歯科大学の戸原玄准教授の調査によれば、「常食が困難」と診断された患者5000人以上のうち、85%はまだ食べる力が残っていることがわかった。「嚥下障害は訓練によって改善する可能性が高い。実際に脳梗塞で倒れ、医師から“一生口から食べられる可能性はありません”と宣告された患者さんが、2年のリハビリで、口から食べられるようになった例もあります。嚥下障害は、筋肉の衰えによって起こることが大きいので、お年寄りには予防のためにも筋トレやストレッチを実践していただいています」 そう語る戸原准教授がとくに勧めるのは、あばらとあばらの間の筋肉のストレッチだ。胸の前で両ひじを軽く持ち、そのまま頭の上まで持ち上げるようにすると、肋間筋がよく伸びて柔らかくなり、呼吸が深くなってむせにくくなる。 そのほか、口を大きく開けたり、素早く開閉を繰り返したりという、口まわりの筋肉を刺激すると誤嚥が減る。筋トレやストレッチなどのリハビリを経たら、ゼリーをのむ練習をすることが多いという。それに慣れたら、カレーライスやグラタン、スープやオムレツなど普通の食事の中にあるのみ込みやすいものを、少しずつ無理のない範囲から試していく。 これを実践するのが、ジャーナリストの櫻井よしこさん(72才)だ。櫻井さんは2005年から実母・以志さん(107才)を自宅介護しており、食事は「好きなものを口から食べさせる」ことを第一に考えている。「母は自分で動けませんし、少し言葉が出づらくなっていますが、それを除けば私たちとまったく同じ。だとしたら、誤嚥を恐れて流動食なんて人生楽しくない。私たちと同じに、口からおいしいものを食べて、食べる楽しみを感じてもらいたいんです。おかゆから始まり、おかずやデザートまで、7品をコースにして毎日出しています。私よりよっぽどバランスのとれたおいしいものを母は食べていますよ(笑い)」 料理は少し噛み応えのあるサイズにして、口当たりを楽しんでもらう。そして目でも楽しめるよう、彩りよく盛り付けている。「くも膜下出血で倒れた時は、植物状態になるかもしれないといわれていたのですが、お医者様もびっくりするくらいの回復です。今ではステーキも食べられるようになりました。母から食べる楽しみを奪わなかったことも、衰えなかった理由の1つだと思います」(櫻井さん)※女性セブン2018年3月15日号
2018.03.06 11:00
女性セブン
朴前大統領の弾劾訴追を見れば韓国立法・司法の歪み分かる
朴前大統領の弾劾訴追を見れば韓国立法・司法の歪み分かる
 これまで、法律より感情を優先する韓国の性癖に日本は振り回されてきたが、それは韓国の財閥グループを巡る贈収賄事件で、検察から懲役30年、罰金1185億ウォン(約118億円)を求刑された前大統領の朴槿恵被告の公判を見ても分かる。厄介極まりない隣人に我々はどう接すべきか。ジャーナリストの櫻井よしこ氏が提言する。 * * * 韓国が厄介なのは、政府だけでなく、立法府や司法までも歪んでいることです。朴槿恵前大統領の弾劾訴追を見れば実情がよくわかります。 韓国の国会は2016年12月に朴氏の弾劾訴追案を可決しました。国の最高責任者を弾劾するわけですから、大統領が憲法違反の重大な罪を犯した事実などがなければ訴追できません。 しかし朴氏の弁護人を務めた金平祐弁護士によると、訴追状には「街を埋め尽くした大群衆の国民運動に応える」と記されていたそうです。 日本で安保法制が審議された際に、国会周辺ではSEALDsや左派系文化人などがデモを行いましたが、そのデモを理由に安倍首相が弾劾されるようなもので、法治国家の体をなしていません。韓国の国会は法律よりも国民感情を優先したことになります。 おかしいのは憲法裁判所も同じです。 国会で可決された弾劾訴追案は憲法裁判所で審議され、裁判官8人が全会一致で支持しました。金弁護士によれば、憲法裁判所の設立30周年を祝う記念誌には、弾劾訴追を支持したことについて「革命的な決定だった」と記されているそうです。法の番人である憲法裁判所がなぜ法を無視して「革命的な決定」を下すのか。法治国家とは言えない異常な事態です。 そうした背景には何があるのでしょうか。金弁護士は、韓国の司法は北朝鮮に乗っ取られていると指摘します。 実態は不明ですが、1970年代から韓国では密かに金日成が提供する“奨学金”を利用してソウル大学法学部などに進む学生が多数いたと言われています。家庭が貧しくても頭脳明晰な学生を支援して親北派に育て上げ、司法試験の勉強をさせたのです。典型例が盧武鉉大統領だと言われます。そうした学生が卒業後に法曹界に浸透し、韓国の司法を操っている疑いがあるのです。●さくらい・よしこ/新潟県長岡市出身。ハワイ州立大学卒業。元日本テレビ「きょうの出来事」キャスター。1995年、『エイズ犯罪 血友病患者の悲劇』で大宅賞受賞。執筆・講演活動を続ける一方、インターネット放送「言論テレビ」を運営中。※SAPIO2018年3・4月号
2018.03.05 07:00
SAPIO
安倍、岸田、石破…憲法改正口にするのは「目立ちたいから」
安倍、岸田、石破…憲法改正口にするのは「目立ちたいから」
「我が党は結党以来、憲法改正を党是として掲げ、長い間議論を重ねてきた。いよいよ実現の時が来た」 安倍晋三首相は国会召集日(1月22日)の自民党両院議員総会でそう宣言した。政治が国のあり方を大きく変える憲法改正に踏み込むというなら、国民はそれによって「明日は昨日とどう変わるのか」、火のような論戦を聞いてみたい。 ところが、国会が始まっても、改憲という「結党以来の悲願」に挑むはずの自民党内には全く熱気が感じられない。自民党憲法改正推進本部の幹部が語る。「本気で憲法改正を発議するなら、今頃は党内一丸となって国民に改憲の必要性を訴えていかなければならない。しかし、推進本部の幹部席には高村正彦ら引退議員と安倍側近が並び、総理へのお付き合いで『ああでもない、こうでもない』と議論しているだけ」 長年、憲法改正国民運動の先頭に立ってきた保守派の論客、櫻井よしこ氏は、そんな自民党内のムードを見かねてこう叱責している。「冷めたピザではないのだから、もっと熱をあげてほしい」(1月23日に開かれた「国家基本問題研究所」の月例研究会より)“冷めたピザ”みたいな改憲論議など国民だって食べたくないが、なぜ、自民党内がそうなっているかの舞台裏を覗くと実力者たちの思惑が見えてくる。「自民党リベラル派」を看板にする岸田文雄・政調会長はこの間、9条護憲派から改憲派へと転向し、“変わり身の早さ”を発揮した。「9条の改正は不要という考えに変わりはない」 モリカケ問題で安倍内閣の支持率が下がっていた昨年9月、岸田氏はそう語り、派閥の会合でも「宏池会(岸田派)は伝統的に憲法に愛着がある」と首相にはっきり距離を置いていた。 だが、安倍首相が総選挙に大勝して求心力を回復すると、いとも簡単に憲法への愛着を捨てた。今年1月9日のテレビ番組では、「9条2項を残したうえで、自衛隊を明記すること自体は意味がある」と安倍私案への賛成を表明して見せた。「将来、安倍首相から政権禅譲を受けるためにはここで恭順の意を表しておく必要がある」(岸田派議員) 総裁レースが有利になるなら9条改正など賛成でも反対でもどっちについてもいいという無責任な姿勢が滲んでいる。「自民党草案を変えるというなら総理が党内に説明すべき」 そう批判して「憲法改正」を総裁選の宣伝材料に利用しているのが石破茂・元幹事長だ。 自民党の正式な憲法改正草案には「国防軍」の創設が盛り込まれている。党内の9条改憲派にとって「国防軍」は悲願だ。 かねてから現憲法の前文を「いじましい。みっともない憲法」と批判してきた安倍首相も、石破氏も、本来はともに国防軍創設論者だったが、首相は公明党を抱き込むために昨年5月、方針を大転換した。「多くの憲法学者や政党の中には、自衛隊を違憲とする議論が今なお存在しています。『自衛隊は、違憲かもしれないけれども、何かあれば、命を張って守ってくれ』というのは、あまりにも無責任です」 そう語って9条に自衛隊を明文化する改憲私案を発表した。国防軍創設をあきらめ、9条改憲の“叩き売り”をしたようなものだ。それを石破氏は安倍攻撃の格好の標的と見た。「自民党草案では国会を通りっこないというのは敗北主義だ」「交戦権なき自衛権という概念は存在しない」と叩き、“我こそは真の改憲派”をアピールしている。「石破さんの言うことは一見筋論のようだが、本当の狙いは公明党との妥協をぶち壊し、安倍総理に憲法改正をさせないようにすることにある」(細田派議員) 後に、石破氏は馬脚を現わすことになる。◆改憲呼びかけ=自民党広告 改憲のテーマは9条だけにはとどまらない。安倍首相は「教育無償化」をあげ、自民党憲法改正推進本部では、安倍私案の9条と教育無償化に加えて「参院選の合区撤廃」、「緊急事態条項」の4項目が議論されている。 なぜ、幅広い憲法の中で4項目に絞られたのか。その裏にも打算が色濃い。保守論壇の大物、西尾幹二・電気通信大学名誉教授が語る。「安倍首相の9条改正私案が公明党取り込みのための妥協なら、教育無償化は維新の党への配慮です。どちらも、憲法改正発議が国会で成立しやすくするためだけの取引材料。安倍さんは自分の手で改憲さえできれば中身はどうでもいい」 憲法を改正した総理として歴史に名を残す。そんな安倍首相の姿勢を正論で批判しているように見える石破氏は、自民党の改憲4項目のうち「参院選の合区撤廃」の熱心な旗振り役だ。 憲法学者の上脇博之・神戸学院大学法学部教授はそこに“我田引水”の不純な動機が見て取れるという。「一票の格差是正で島根・鳥取と徳島・高知が合区された。自民党はそれを地域的不平等だとねじ曲げた論理で、憲法に各県から最低1人以上の参院議員を選出する条文を加えようとしている。鳥取選出の石破氏がそれを推進しているのは、地元選出議員を増やして自分の勢力拡大を考えているからでしょう」 安倍首相が名誉欲なら、石破氏は数のために憲法もねじ曲げる。 安倍政権は公明党や日本維新の会、希望の党の改憲賛成派などを取り込んで改憲案を発議し、来年7月の参院選に合わせて国民投票とのダブル選挙を実施する──というスケジュールを視野に入れている。 その国民投票さえ、自民党にとっては参院選を圧倒的に有利に戦う“抜け道”に他ならない。 参院選は公選法で新聞広告やテレビCMに規制があるが、憲法改正の国民投票は公選法の対象外で、第1次安倍内閣が成立させた国民投票法では、新聞や雑誌、ネット広告で改憲への賛成を呼びかけるのに制限が定められていない(テレビCMだけは国民投票14日前まで)からだ。しかも、政党交付金は自民党の年間約176億円に対して、立憲民主が約16億円、希望の党は約20億円で資金力は段違い。「自民党がカネにまかせて参院選の公示後も憲法改正への賛成を呼びかける広告を新聞・ネットなどに流し続ければ、参院選で野党はひとたまりもない」(野党幹部) 前出の西尾氏はこう言って嘆息した。「憲法改正は国の根幹にかかわる大事業。目先の都合や政治的打算で行なわれれば、必ず将来に禍根を残す」 こんな打算まみれの改憲論議の末に“自衛隊を合憲にしたぞ”と胸を張られても、最前線で国の守りにつく自衛隊員たちは虚しくなるばかりではないだろうか。※週刊ポスト2018年2月9日号
2018.02.01 07:00
週刊ポスト
ケント氏「議論すら許さない日本のリベラル派は全体主義者」
ケント氏「議論すら許さない日本のリベラル派は全体主義者」
 国難を前に日本は無防備だ。今の日本にはGDP世界3位の経済力があり、自衛隊があり、情報もある。しかし、「現実を見る目」をなくしてしまった。ジャーナリストの櫻井よしこ氏と米カリフォルニア州弁護士のケント・ギルバート氏の国を憂う二人が、日本人の覚醒を期待して国防について論じた。ケント:憲法9条改正と聞いただけで冷静な判断力を失い、思考停止に陥ってしまう人がいます。櫻井:彼らは憲法改正について「議論することすら許さない」のですから。核に対するアレルギーはそれ以上です。 以前は米国も日本の核武装に反対で、2006年に今は亡き中川昭一氏が北朝鮮の核実験をふまえて「非核三原則を見直すべきかどうか議論を尽くすべきだ」と発言すると、ジョージ・W・ブッシュ大統領は苦言を呈し、コンドリーザ・ライス国務長官が日本に飛んできて、核の傘を保証したうえで日本でそれ以上の議論をやめるよう釘を刺しました。 中川氏は核武装を主張したのではなく、議論を呼びかけたにすぎません。それでも米国は強い拒否反応を示したわけです。ケント:しかし、今はまったく違いますね。櫻井:ええ。なにしろ大統領自らが日本や韓国に「自分で核を持ったらどうか」と言い始めていますから。ウォール・ストリート・ジャーナルは、日本が核武装すれば同様の動きが韓国や台湾にも波及し、米国は軍事費が削減でき、中国への抑止力は高まる。 しかし、核が拡散すれば米国の影響力は相対的に低下すると分析し、日本が核武装した場合の米国のメリットとデメリットを論じています。 ところが日本ではいまだに「核」「核武装」という言葉だけで危ない論議だと決めつけられてしまう空気が支配的です。ケント:私自身は日本の核武装には反対です。容認すればイランとの核合意が崩れる。イランが核武装すれば、サウジアラビアも核を持つでしょう。世界情勢が非常に不安定になるので、戦争をしてでも北朝鮮で止めなければいけない。櫻井:ケントさんのお考えも含めて、議論すべきだと思いますね。ケント:そうです。議論しないのが一番いけない。議論しなければ新しいアイディアも生まれないのですから。議論すら許さない日本のリベラル派は、リベラルではなく全体主義者です。櫻井:最悪の場合、北朝鮮に核兵器が残り、韓国が中国にすり寄って、朝鮮半島全体が中国の影響下に置かれる可能性もあります。日本にとってまさに国難です。しかし、それを予見して、日本人が目覚めるのなら、むしろ日本にとっていいことだろうと思います。ケント:同感です。日本にとって、まともな国になる大きなチャンスですね。※SAPIO2018年1・2月号
2018.01.28 07:00
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米兵が左翼活動家から「死ね」と罵詈雑言浴びせられ幹部激怒
米兵が左翼活動家から「死ね」と罵詈雑言浴びせられ幹部激怒
 戦後70年以上、政治家たちは「国防」を正面から議論してこなかった。左翼陣営は議論すら許さなかった。そのツケが回ってきたようだ。国難を前に日本は無防備だ。ジャーナリストの櫻井よしこ氏と米カリフォルニア州弁護士のケント・ギルバート氏の国を憂う二人が、日本人の覚醒を期待して国防について論じた。櫻井:本来なら、日本は自力で日本を守るべきですが、中国の軍拡が猛烈な勢いで進み、単独での自国防衛が難しい状況になってきた。 そこで日本にとって重要なのはいかに日米同盟を維持するかです。米国が「日米安保はアメリカの国益にとっても重要だ」と思うように、日本も役割を果たしていかなければいけない。人間関係も同じですね。一方が他方に頼りっぱなしでは嫌になってしまいます。ケント:米軍兵士たちはみんな若いですが、彼らの平和を守ろうという精神には本当に感動しますよ。沖縄にいる米兵たちは皆、本気で日本を守るつもりで来ています。 ところが米兵たちが仕事に行こうとすると左翼活動家の私的検問にあい、「死ね、死ね、米兵死ね!」と罵詈雑言を浴びせられ車をバンバン叩かれる。 全国から過激派の活動家が集まってきて、中国や北朝鮮の工作員の疑いがある者まで混じっているのに、沖縄県警の動きは鈍い。これでは米兵は複雑な気持ちになりますよ。僕が直接話した米軍の幹部はカンカンに怒っていました。櫻井:怒るのは当然です。米国の国益とはいえ、いざという時には日本を守るために命を懸けるんですから。ケント:米国では「ファースト・リスポンダー」と言って、危機に際して最初に対応し、我々を守ってくれる人たちは国民からとても尊敬されます。警察、消防、救急隊員、そして軍人です。自衛隊員ももっと尊敬されるべきだと思います。櫻井:戦後、日本は占領下で行われた洗脳政策、WGIP(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)と学校教育を通じて軍に対するアレルギーを植え付けられました。それが間違いの根本で、経済力と軍事力のふたつがない国はまともに国を守れません。 幕末にペリーの黒船が来航した時、日本には経済力も軍事力もありませんでした。鎖国していたから情報力もない。そのため欧米列強に様々な不平等条約を結ばされてしまった。しかし、先人たちには現実を見つめる賢さがありました。国を守るためには経済力と軍事力が必要だとして「富国強兵」を国策に掲げたんです。●さくらい・よしこ/新潟県長岡市出身。ハワイ州立大学卒業。元日本テレビ「きょうの出来事」キャスター。1995年、『エイズ犯罪 血友病患者の悲劇』で大宅賞受賞。執筆・講演活動を続ける一方、インターネット放送「言論テレビ」を運営中。●ケント・ギルバート/1952年アイダホ州生まれ。1971年初来日。カリフォルニア州弁護士。1983年にテレビ番組「世界まるごとHOWマッチ」にレギュラー出演し人気に。近著に『中韓がむさぼり続ける「反日」という名の毒饅頭』、近日刊行予定に『日本人だけが知らない世界から尊敬される日本人』がある。※SAPIO2018年1・2月号
2018.01.24 07:00
SAPIO
ケント氏「憲法によって危険に」櫻井氏「日本は商人の集合体」
ケント氏「憲法によって危険に」櫻井氏「日本は商人の集合体」
 戦後70年以上、政治家たちは「国防」を正面から議論してこなかった。左翼陣営は議論すら許さなかった。そのツケが回ってきたようだ。国難を前に日本は無防備だ。ジャーナリストの櫻井よしこ氏と米カリフォルニア州弁護士のケント・ギルバート氏、国を憂う二人が、日本人の覚醒を期待して国防について論じた。櫻井:日本には「平和」を唱えていれば平和がもたらされるとか、憲法9条が国を守ってくれると考えている人たちがいて、憲法改正や国防論議が進まない現実があります。しかし、そんな幻想も2018年には崩壊するのではないでしょうか。 北朝鮮の危機がかつてなく高まり、中国の習近平国家主席はすべてを中華民族の影響下に置くという目標を掲げて膨張を続けています。そうした中で米国は内向きになっている。まさに国難というべき国際情勢下で、日本も目覚めざるを得なくなると思います。ケント:9条があるから日本の平和が守られているというのは大嘘で、根拠も因果関係も何もない。むしろ憲法によって危険に晒されていると思ったほうがいい。櫻井:どの国の軍隊も憲法も平和を求めているのですから、戦争憲法などというものは存在しません。日本国憲法だけが平和憲法だ、日本だけが平和国家だというのはあまりにも傲慢です。ケント:日本で言われる「平和主義」は不戦主義です。戦うこと自体を否定していますから、これでは攻撃されても何も抵抗できない。平和主義とは違います。ここまで国防について考えない国は、世界で日本だけです。現実を見ようとしない「お花畑の住民」もいいところです。だから近隣諸国は日本をナメきっている。櫻井:本当にそうですね。国民の生命と財産、国土を守ることが国家の第一の義務であるにもかかわらず、日本はそれを米国に頼ってきました。トランプ批判ばかりが報じられますが「自国防衛に責任を持て」というのは当たり前の話です。ケント:はい。日本人はトランプ大統領の発言を勘違いしていますね。「在日米軍の費用をもっと出せ」というのは言葉通りではなく、「いちいち米国を頼らずに自分で守れ」という意味。 尖閣諸島の防衛についてトランプ大統領は「We stand behind Japan」と言いました。日本が戦うなら「behind(後ろ)」から支援するよというのが米国の本音です。櫻井:日本が動かなければ米国は動かない。これも当然のことですね。野党は「日米安保のせいで戦争に巻き込まれる」と批判してきましたが、今は逆に、米国が日米同盟を理由に中国との戦争に引きずり込まれることを警戒しています。ケント:そう、まったく逆なんですよ。じゃあ米国は尖閣諸島を守るのか守らないのか。守るかもしれません。でもそれは米国の国益のためです。尖閣諸島防衛が米国の国益にかなうと判断すれば、その時は戦う。櫻井:そもそもなぜ米国人の血を流してまで米国が日本を守る義務があるのかという根本を、日本人は理解しなければいけませんね。お互いの国益が合致して初めて日米安保は有効に機能するんです。 ところが日本は自国の防衛力の整備・強化すら、「米国に言われたから防衛費を増やした」とか、“渋々従っている”形をとってきました。でもそのようなことはもう通じません。ケント:今後、日本は国益を主張すればいいだけだと思います。ところが、僕がそう言うと「日本では国益を主張するのは『美徳』ではない」という人がいる。いつから外交が美徳の話になったのでしょう。櫻井:おかしな話ですね。日本人が国益について世界の基準と比べて的外れな反応をしてしまうのは、戦後、日本が国というものを考えてこなかったからだと思います。ケント:それは占領下で行われた洗脳政策、WGIP(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)の結果です。戦争への罪悪感を日本人に植え付けるために行われました。 日本を弱い国のままにしておくことを目的としており、同じ理由で米国が行った制裁措置のメインマストが憲法9条ですよ。ところが朝鮮戦争が勃発して、米国は日本を強い同盟国にする必要に迫られた。 米国は憲法9条が間違いだったということをすでに1950年代に認めています。今も憲法9条を早く改正して、日本のことは日本でなんとかしてくれというのが本音でしょう。櫻井:ところが日本は国防を米国に頼りきり、経済のことしか考えてきませんでした。吉田茂氏が首相になった時、腹心の辰巳栄一元陸軍中将が憲法を改正して軍隊を持つべきだと進言しましたが、吉田首相は耳を貸さなかった。しかし、首相を辞めた後に辰巳の助言が正しかった、自分が間違っていたと振りかえっているんです。ケント:首相でいる間に気づいて欲しかったですね。櫻井:本当にそう。以降、日本は経済にだけ注力してきましたが、これは国家ではなく商人の集合体です。誰も国を考えない。国際社会で日本の国益を守る先頭に立たなければならない外務省も国益より省益を優先する。事なかれ主義が蔓延して、自分の任期中に問題が起きなければいい、となってしまった。ケント:そうすれば定年退職して、天下りができる。櫻井:国益を考えないということは、日本が戦後、まともな国でなかったという証拠なんです。●さくらい・よしこ/新潟県長岡市出身。ハワイ州立大学卒業。元日本テレビ「きょうの出来事」キャスター。1995年、『エイズ犯罪 血友病患者の悲劇』で大宅賞受賞。執筆・講演活動を続ける一方、インターネット放送「言論テレビ」を運営中。●ケント・ギルバート/1952年アイダホ州生まれ。1971年初来日。カリフォルニア州弁護士。1983年にテレビ番組「世界まるごとHOWマッチ」にレギュラー出演し人気に。近著に『中韓がむさぼり続ける「反日」という名の毒饅頭』、近日刊行予定に『日本人だけが知らない世界から尊敬される日本人』がある。※SAPIO2018年1・2月号
2018.01.16 07:00
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