国内

震災に乗じた増税は国民への負担を強いて消費を停滞させる

 政府は東北関東大震災の被害額を16兆~25兆円と見積もった。この復興費用をどう捻出するか。4月導入予定だった高速道路新料金が見送られるが、これで確保できるのは3000億円のみだ。抜本的な解決にはほど遠い。元財務官僚で経済学者の高橋洋一・嘉悦大学教授が指摘する。

「気をつけなければならないのが、震災に乗じた増税論です。災害下での増税は国民への負担を強いるだけでなく、さらに消費を停滞させる。その前にできることはまだあります。

 まず手をつけるべきは、国債費20.6兆円のうち、10.9兆円を占める“債務償還費”です。これは毎年度、債務償還のために必要な国債として、財務省が余計に発行しているものです。しかし、実際のところ政府は債務償還には借換債で対応しているため、債務償還費の計上は必要ないと私は考える。この10.9兆円を復興資金に充てた上で足りない部分を“震災国債”として発行し、被災地復興費用を賄うべきです」

※週刊ポスト2011年4月8日号

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