国内

福岡政行氏 次回総選挙の議席数を「自民220民主130」と予測

予想される多くの激変の中でも、日本の未来に大きな影響を及ぼすと考えられるのが“永田町の行方”である。白鴎大学の福岡政行教授は、既存の大政党が推す候補を破って大阪市長に就任した橋下徹氏率いる大阪維新の会と、みんなの党が連携し、総選挙の結果、キャスティングボートを握る「政界大再編」が起きる可能性が高いと分析する。

* * *
私は解散・総選挙は2012年の春から夏にかけて行なわれる可能性が高いと見ている。低迷する内閣支持率は、この先さらにどんどん下がり、政権にレッドカードが突き付けられるだろう。

しかし、2012年度予算を通さずに解散すれば、日本経済は壊滅的な打撃を受け、選挙で不利になる。また、野田政権を陰で操っている財務省も予算は成立させたいはずだ。1989年の竹下登政権のように、予算成立と引き換えに、3月末から5月に解散し、5月から7月に総選挙が行なわれるのではないかと見る。

現在、待ったなしの日本の問題は、2011年度末に1000兆円を超えるとされる国の借金であるから、次期総選挙では「増税vs反増税」が最大の争点になることは間違いない。

そうした中、現在の政党の枠組みのままで選挙が行なわれた場合に300選挙区の当落がどうなるかを予測すると(詳しくは12月28日発売の『SAPIO』1月11・18日号参照)、増税を打ち出している野田・民主党が、多くの選挙区で敗北。そして選挙区と比例区の合計で約130議席と現在の半分以下になると予測される。

一方、自民党は約220議席まで勢力を戻し、公明党は26議席を獲得。2009年の政権交代選挙とは逆の地滑りが起き、自公で過半数に達し、再び政権交代となる可能性が出てきた。

しかし、である。2011年の秋、そこに決定的な“変数”が出現してしまった。橋下徹氏と大阪維新の会という存在である。大阪ダブル選で、既存政党が束になっても敵わなかった橋下旋風は「革命」と言われた。そして、その余震はいまだ続いている。革命を目の当たりにした一部の政治家たちの心に、火が付いているのだ。

もし、橋下・大阪維新の会が国政に打って出るなら、どうにか彼らとうまく手を組んで、一気に一大勢力に上り詰められないものか。

「大阪都構想」実現を優先するために、橋下氏自身がすぐさま国政に転じられないにしても、大阪維新の会が国政に打って出て来るならば、多くの政治家・政党が連携に手を挙げてくるだろう。

その場合、特に近畿の比例区では、再び橋下旋風が巻き起こるだろうし、ブロック全体で票数を積み上げればいい比例区であるならば、他の比例区であっても有力候補者に橋下ブランドが加わることで、一定の議席を獲得できるのではないか。

その場合は、政界再編の予兆に刺激を受けた他の新党が結成されるであろうことを加味すると、総選挙においては民主も自民も過半数を獲れない状況となり、橋下・大阪維新の会と手を組んだ政党・グループが、いきおい、キャスティングボートを握ることになりえるのだ。

※SAPIO2012年1月11・18日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

結婚生活に終わりを告げた羽生結弦(SNSより)
【全文公開】羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんが地元ローカル番組に生出演 “結婚していた3か間”については口を閉ざすも、再出演は快諾
女性セブン
「二時間だけのバカンス」のMV監督は椎名のパートナー
「ヒカルちゃん、ずりぃよ」宇多田ヒカルと椎名林檎がテレビ初共演 同期デビューでプライベートでも深いつきあいの歌姫2人の交友録
女性セブン
NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン