ライフ

内科医「免疫力高めたい中高年にはジョギング・筋トレはNG」

 健康のために、毎日欠かさずジョギングしている人も多いだろう。だが、この健康法、身体のメカニズムからすると、体に「悪い」のだという。交感神経ばかりを活発化し、副交感神経の活動が低下することにより、自律神経のバランスが崩れてしまうのだ。では、どうしたら副交感神経を活発化させられるのか――実は、健康の秘密はここにあった。

 自律神経のバランスを保つために効果的な生活習慣とは何か。青山・まだらめクリニック院長で、『免疫力を高める「副交感神経」健康法』の著書がある内科医・班目健夫氏にいくつかのポイントを挙げてもらった。(以下「」内は班目氏)

【ジョギングよりもウォーキング】
 呼吸をコントロールしているのは自律神経で、息を吸う時は交感神経が優位になり、吐く時は副交感神経が優位になる。

 それゆえ、交感神経が優位に傾きがちな日常生活においては、いかに「吐く呼吸」を大切にするかが、健康のカギだともいえる。

「健康のために」と、中高年になってからジョギングを始める人もいるようだが、班目氏はこう警鐘を鳴らす。

「ジョギングは呼吸を浅く、早くさせ、心拍数も高めます。つまり、交感神経を優位にしてしまう運動で、身体にますますストレスをかけることになる。副交感神経を活発化させるのとはまったく逆方向で、危険です」

 ジョギングをするくらいなら、ゆっくりとウォーキングするほうが、健康のためにはよほど効果的。それも、リラックスしながらゆったり呼吸できる程度の歩き方がいいそうだ。

【筋トレはNG】
 ジョギング以上に危険なのが、筋力トレーニングだ。例えば、重いバーベルを上げる瞬間は、呼吸を止めて筋肉への血流を上昇させるため、血圧は一気に上昇する。身体に強烈な負荷をかけることになり、交感神経が一気に活発になってしまうのだ。

「筋トレをすると、血圧の上昇に加えて、短い時間でも心拍数が上がる。日頃、副交感神経の働きの低下によって心臓や血管が弱っている人は、心筋梗塞や脳出血などを引き起こす危険さえあります」

 若々しい肉体美を求める気持ちはわかるが、それで寿命を縮めてしまっては元も子もない。

【やるなら気功や腹式呼吸】
 やるとしたら、ヨガや太極拳、気功など、ゆっくりと深く呼吸する運動がおすすめだ。

「とくに気功では、吸う時にお腹を膨らませ、息を吐くときにお腹をへこませる腹式呼吸を重視します。自律神経のバランスをとるには非常に効果的です」

 これらの運動が面倒という人は、腹式呼吸を心がけるだけでも十分効果があるという。

「お腹には全身の血液の8割近くが集まっています。ストレスを受けたり、疲れた時には交感神経の働きで血管が収縮して、お腹にうっ血が起きやすくなる。すると、内臓機能が低下します。腹式呼吸で、深く息を吐き、副交感神経の働きを高めることで、うっ血状態が改善されるのです」

※週刊ポスト2012年6月29日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

“ATSUSHIものまね芸人”として活動するRYO
【渦中のRYOを直撃】「売名じゃない」橋幸夫さん通夜参列で炎上の“ATSUSHIものまね芸人”が明かした「反省」と「今後」…「100:0で僕が悪者になっている」との弁も
NEWSポストセブン
滋賀県を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月7日、撮影/JMPA)
《再販後完売》佳子さま、ブラジルで着用された5万9400円ワンピをお召しに エレガントな絵柄に優しいカラーで”交流”にぴったりな一着
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(共同通信)
《やる気スイッチ講師がわいせつ再逮捕》元同僚が証言、石田親一容疑者が10年前から見せていた“事件の兆候”「お気に入りの女子生徒と連絡先を交換」「担当は女子ばかり」
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷が“即帰宅”した理由とは
《ベイビーを連れて観戦》「同僚も驚く即帰宅」真美子さんが奥様会の“お祝い写真”に映らなかった理由…大谷翔平が見計らう“愛娘お披露目のタイミング”
NEWSポストセブン
渡邊渚さんが、「選挙」と「投票」について綴った(撮影/松田忠雄)
渡邊渚さんが綴る“今の政治への思い”「もし支持する政党がパートナーと全く違ったら……」
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《山瀬まみが7ヶ月間のリハビリ生活》休養前に目撃した“スタッフに荷物を手伝われるホッソリ姿”…がん手術後に脳梗塞発症でICUに
NEWSポストセブン
自民党屈指の資金力を誇る小泉進次郎氏(時事通信フォト)
《小泉進次郎氏の自民党屈指の資金力》政治献金は少なくても“パーティー”で資金集め パーティーによる総収入は3年間で2億円、利益率は約79%
週刊ポスト
イベントキャンセルが続く米倉涼子
《新情報》イベントのドタキャン続く米倉涼子を支えた恋人の外国人ダンサー、日本を出国して“諸事情により帰国が延期”…国内でのレッスンも急きょキャンセル 知人は「少しでもそばにいてあげて」
NEWSポストセブン
小川晶市長“ホテル通い詰め”騒動はどう決着をつけるのか(左/時事通信フォト)
《前橋・小川市長 は“生粋のお祭り女”》激しい暴れ獅子にアツくなり、だんベぇ踊りで鳴子を打ち…ラブホ通い騒動で市の一大行事「前橋まつり」を無念の欠席か《市民に広がる動揺》
NEWSポストセブン
歴史ある慶應ボート部が無期限で活動休止になったことがわかった(右・Instagramより)
《慶應体育会ボート部が無期限活動休止に》部員に浮上した性行為盗撮疑惑、ヘッドフォン盗難、居酒屋で泥酔大暴れも… ボート部関係者は「風紀は乱れに乱れていた」と証言
NEWSポストセブン
元大関・貴景勝
断髪式で注目の元大関・貴景勝 「湊川部屋」新設に向けて“3つの属性の弟子”が混在する複雑事情 稽古場付きの自宅の隣になぜか伊勢ヶ濱部屋の住居が引っ越してくる奇妙な状況も
NEWSポストセブン
京都を訪問された天皇皇后両陛下(2025年10月4日、撮影/JMPA)
《一枚で雰囲気がガラリ》「目を奪われる」皇后雅子さまの花柄スカーフが話題に 植物園にぴったりの装い
NEWSポストセブン