国内

尖閣問題 オスプレイ配備を目指した米国が焚きつけたとの説も

 10月1日、オスプレイが沖縄普天間基地へ配備された。尖閣諸島問題で「中国脅威論」が巻き起こったことで、配備を後押ししたとされる。オスプレイと尖閣問題がどうつながっているのか、新刊『アメリカに潰された政治家たち』(小学館刊)が話題の元外務省国際情報局長・孫崎享氏はこう解説する。

 * * *
 今回の尖閣騒動は、2012年4月に石原都知事が訪米中に、「東京都が尖閣諸島を買い取る」と宣言したことが発端でした。

 しかし、竹島や北方領土と異なり、尖閣は日本が実効支配しているのですから、むやみに騒ぎを起こすべきではなく、粛々と実効支配を続けることが大事なのです。まさか石原都知事がそれを知らないとは思えません。

 一方、石原都知事の挑発を受けて動き出したのが香港保釣行動委員会という団体で、抗議行動として2012年8月15日に尖閣諸島に上陸しました。この団体は、1970年11月に米プリンストン大の台湾人留学生たちが委員会を結成したのが始まりとされています。つまり、アメリカで生まれた団体なのです。

 しかも、ネット上では、上陸した活動家の一人が、別のデモで中国の国旗を燃やしているとする写真が公開されています。それが事実なら、この活動家らはいったい何者なのでしょうか。

 親米派の石原都知事が焚きつけ、米国発祥の謎の団体が尖閣に上陸し、中国での反日デモにつながっていきました。そして日本国内では中国脅威論が巻き起こり、オスプレイ配備がなし崩し的に進められているわけです。

 誰が得をしたのかと言えばアメリカです。私には単なる偶然とは思えません。

※『アメリカに潰された政治家たち』より抜粋

関連キーワード

関連記事

トピックス

永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《坂口健太郎との熱愛過去》25歳の永野芽郁が男性の共演者を“お兄ちゃん”と呼んできたリアルな事情
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
国民に「リトル・マリウス」と呼ばれ親しまれてきたマリウス・ボルグ・ホイビー氏(NTB/共同通信イメージズ)
ノルウェー王室の人気者「リトル・マリウス」がレイプ4件を含む32件の罪で衝撃の起訴「壁に刺さったナイフ」「複数の女性の性的画像」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
「タダで行為できます」騒動の金髪美女インフルエンサー(26)が“イギリス9都市をめぐる過激バスツアー”開催「どの都市が私を一番満たしてくれる?」
NEWSポストセブン
ドバイのアパートにて違法薬物所持の疑いで逮捕されたイギリス出身のミア・オブライエン容疑者(23)(寄付サイト『GoFundMe』より)
「性器に電気を流された」「監房に7人、レイプは日常茶飯事」ドバイ“地獄の刑務所”に収監されたイギリス人女性容疑者(23)の過酷な環境《アラビア語の裁判で終身刑》
NEWSポストセブン
Aさんの乳首や指を切断したなどとして逮捕、起訴された
「痛がるのを見るのが好き」恋人の指を切断した被告女性(23)の猟奇的素顔…検察が明かしたスマホ禁止、通帳没収の“心理的支配”
NEWSポストセブン