国際情報

韓国新聞 今年、竹島が日本領だった証拠となる地図資料掲載

 韓国が、“独島”が絡むと冷静さを失って暴走するのは今に始まったことではないが、最近の過熱ぶりは尋常ではない。

 今年の8月10日に李明博大統領が竹島に上陸したのに対し、野田首相は抗議の親書を送ったが、韓国側は受け取りを拒否するといった攻防があった。現在は事実上、日韓間の外交はストップした状態である。

 なぜ韓国はこんな時期に、あえて火種を増やすような行為をするのか。産経新聞ソウル駐在特別記者の黒田勝弘氏はいう。

「韓国では、政治家も政党も政府もメディアも、“いかに我々が独島を愛しているか”を示す競争をしている状態です。国土海洋部は、竹島に海洋研究施設を建設する計画を進めていて、すでに予算もついているが、昨今の日韓関係悪化の影響で計画にブレーキをかけられストレスが溜まっている。今回の命名(東島の峰は「于山峰」、西島の峰は「大韓峰」を公式名称にすると韓国は発表)はそのストレス解消と、国民に対する点数稼ぎのためでしょうね」

 しかも最近は、韓国人のそうしたイライラが募るような出来事ばかり起きている。

 これまで米グーグル社の地図サービス「グーグルマップ・グローバル版」では、英語で「Dokto」または「Takeshima」と検索すれば、「Ulleung Gun(鬱陵郡)799-800」という韓国表記の住所が表示された。しかし、同社は10月19日からこの住所表記を削除した。領土問題で日韓のどちらの側にも与しないという姿勢を示したことになる。

 韓国は国際的に認められている「日本海」という呼称に異議を唱え、「東海」への変更を求めているが、この運動も成功していない。

 今年4月にモナコで開かれた国際水路機関(IHO)の総会で、韓国は16人もの大代表団を送り込み、「日本海」に「東海」を併記することを要求。それに呼応して、米ホワイトハウスのサイトには、一般の韓国人から「東海」呼称を求める約10万件の署名が集まり、サーバーをダウンさせた。米大統領に、海の呼称に口を挟む権限などないのはいうまでもない。

 このIHO総会では「日本海」単独呼称の継続で決着したが、5年後の次期総会ではまた同じことが繰り返されるだろう。韓国メディアが焦って墓穴を掘る事件も起きている。

 今年3月28日付のハンギョレ新聞に「日本の1892年の地図で、独島は韓国の地と確認」との見出しの記事が掲載された。その日本の古地図には、韓国と日本の間に2つの島が描かれている。韓国に近い島には「竹島」、日本に近い島には「松島」と表記され、松島は日本領を示す赤、竹島は領外を示す白で塗られている。竹島問題に疎い人が見れば、なるほど韓国領だと思うかもしれない。
 
 しかし、当時の日本では、鬱陵島を竹島、竹島を松島と呼んでいたので、この地図は「鬱陵島は朝鮮の領土、竹島は日本の領土」を示しているに過ぎず、むしろ、当時から竹島が日本領であった証拠となる資料といえるのだ。

 この地図を掲載する際に新聞社の中で問題にならなかったということは、韓国メディアのなかには、竹島の位置も、名称の推移も知らずに「独島は我が領土」と叫んでいる者が多いということだ。

※週刊ポスト2012年11月18日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷が語った「遠征に行きたくない」の真意とは
《真美子さんとのリラックス空間》大谷翔平が「遠征に行きたくない」と語る“自宅の心地よさ”…外食はほとんどせず、自宅で節目に味わっていた「和の味覚」
NEWSポストセブン
歌手・浜崎あゆみ(47)の上海公演が開催直前で突如中止に
《緊迫する日中関係》上海の“浜崎あゆみカフェ”からポスターが撤去されていた…専門家は背景に「習近平への過剰な忖度」の可能性を指摘
NEWSポストセブン
逮捕された村上迦楼羅容疑者(時事通信フォト)
《闇バイト強盗事件・指示役の“素顔”》「不動産で儲かった」湾岸タワマンに住み、地下アイドルの推し活で浪費…“金髪巻き髪ギャル”に夢中
NEWSポストセブン
「武蔵陵墓地」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年12月3日、撮影/JMPA)
《曾祖父母へご報告》グレーのロングドレスで参拝された愛子さま クローバーリーフカラー&Aラインシルエットのジャケットでフェミニンさも
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《約200枚の写真が一斉に》米・エプスタイン事件、未成年少女ら人身売買の“現場資料”を下院監視委員会が公開 「顧客リスト」開示に向けて前進か
NEWSポストセブン
指示役として逮捕された村上迦楼羅容疑者
「腹を蹴れ」「指を折れ」闇バイト主犯格逮捕で明るみに…首都圏18連続強盗事件の“恐怖の犯行実態”〈一回で儲かる仕事 あります〉TikTokフォロワー5万人の“20代主犯格”も
NEWSポストセブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
《広瀬すずのぴったりレギンスも話題に》「アスレジャー」ファッション 世界的に流行でも「不適切」「不快感」とネガティブな反応をする人たちの心理
NEWSポストセブン
遠藤敬・維新国対委員長に公金還流疑惑(時事通信フォト)
《スクープ》“連立のキーマン”維新国対委員長の遠藤敬・首相補佐官が「秘書給与ピンハネ」で税金800万円還流疑惑、元秘書が証言
NEWSポストセブン
2018年、女優・木南晴夏と結婚した玉木宏
《ムキムキの腕で支える子育て》第2子誕生の玉木宏、妻・木南晴夏との休日で見せていた「全力パパ」の顔 ママチャリは自らチョイス
NEWSポストセブン
雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
《雅子さま、62年の旅日記》「生まれて初めての夏」「海外留学」「スキー場で愛子さまと」「海外公務」「慰霊の旅」…“旅”をキーワードに雅子さまがご覧になった景色をたどる 
女性セブン
ケンダルはこのまま車に乗っているようだ(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
《“ぴったり具合”で校則違反が決まる》オーストラリアの高校が“行き過ぎたアスレジャー”禁止で波紋「嫌なら転校すべき」「こんな服を学校に着ていくなんて」支持する声も 
NEWSポストセブン
24才のお誕生日を迎えられた愛子さま(2025年11月7日、写真/宮内庁提供)
《12月1日に24才のお誕生日》愛子さま、新たな家族「美海(みみ)」のお写真公開 今年8月に保護猫を迎えられて、これで飼い猫は「セブン」との2匹に 
女性セブン