ライフ

「たぬき」関東では揚げ玉そば 関西ではきざみあんかけうどん

 同じ日本でも食文化がまったく違う、関東と関西。関東の常識でオーダーしたら、関西ではまったく違うものが出てきたというハプニングを経験したことがある人もいるはず。

 そのひとつが「たぬき」だ。関東ではそばに揚げ玉がのっているそばのことをいうが、京都ではたぬきといえばきざみの油あげが入ったうどんにあんをかけたものを指す。「京うどん生蕎麦 岡北」の店主・北村正樹さんが言う。

「京都のきつねうどんはきざみあげ(油あげをきざんだもの)を入れ、これにかたくりや吉野葛でとろみをつけ、あんをかけたものをたぬきといいます。あんをかけ“ドロンと化かす”というのが名前の由来という説もあります」

 ちなみに大阪では、昔は油あげが入ったそばのことを「たぬき」と呼んでいた。

 東西の嗜好の違いは味つけだけでなく、調理法や具の選び方にも表れている。関東で肉といえば牛、豚、鶏肉なども含まれるが、関西では牛肉を指すことが多い。

「家計調査を見ても関西府県の牛肉の購入額は関東の2~5倍です。これは明治初期に外国人が多く居住した神戸で和牛が食用として利用されるようになり、関西では牛肉を食べる文化が広まっていったからです」(地理学研究者・宇田川勝司さん)

 この影響からか関東では豚肉を使う肉じゃがも関西では牛肉を使用。

「庶民的なおかずの肉じゃがも“肉”とつくからには、牛を使いたいという気持ちが強いのだと思われます」(宇田川さん)

※女性セブン2013年4月18日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

石橋貴明の近影がXに投稿されていた(写真/AFLO)
《黒髪からグレイヘアに激変》がん闘病中のほっそり石橋貴明の近影公開、後輩プロ野球選手らと食事会で「近影解禁」の背景
NEWSポストセブン
秋の園遊会で招待者と歓談される秋篠宮妃紀子さま(時事通信フォト)
《陽の光の下で輝く紀子さまの“レッドヘア”》“アラ還でもふんわりヘア”から伝わる御髪への美意識「ガーリーアイテムで親しみやすさを演出」
NEWSポストセブン
24才のお誕生日を迎えられた愛子さま(2025年11月7日、写真/宮内庁提供)
《24歳の誕生日写真公開》愛子さま、ラオス訪問の準備進めるお姿 ハイネックにVネックを合わせて顔まわりをすっきりした印象に
NEWSポストセブン
ニューヨークのイベントでパンツレスファッションで現れたリサ(時事通信フォト)
《マネはお勧めできない》“パンツレス”ファッションがSNSで物議…スタイル抜群の海外セレブらが見せるスタイルに困惑「公序良俗を考えると難しいかと」
NEWSポストセブン
中国でライブをおこなった歌手・BENI(Instagramより)
《歌手・BENI(39)の中国公演が無事に開催されたワケ》浜崎あゆみ、大槻マキ…中国側の“日本のエンタメ弾圧”相次ぐなかでなぜ「地域によって違いがある」
NEWSポストセブン
韓国・漢拏山国立公園を訪れいてた中黒人観光客のマナーに批判が殺到した(漢拏山国立公園のHPより)
《スタバで焼酎&チキンも物議》中国人観光客が韓国の世界遺産で排泄行為…“衝撃の写真”が拡散 専門家は衛生文化の影響を指摘「IKEAのゴミ箱でする姿も見ました」
NEWSポストセブン
 チャリティー上映会に天皇皇后両陛下の長女・愛子さまが出席された(2025年11月27日、撮影/JMPA)
《板垣李光人と同級生トークも》愛子さま、アニメ映画『ペリリュー』上映会に グレーのセットアップでメンズライクコーデで魅せた
NEWSポストセブン
リ・グァンホ容疑者
《拷問動画で主犯格逮捕》“闇バイト”をした韓国の大学生が拷問でショック死「電気ショックや殴打」「全身がアザだらけで真っ黒に」…リ・グァンホ容疑者の“壮絶犯罪手口”
NEWSポストセブン
渡邊渚アナのエッセイ連載『ひたむきに咲く』
「世界から『日本は男性の性欲に甘い国』と言われている」 渡邊渚さんが「日本で多発する性的搾取」について思うこと
NEWSポストセブン
“ミヤコレ”の愛称で親しまれる都プロにスキャンダル報道(gettyimages)
《顔を伏せて恥ずかしそうに…》“コーチの股間タッチ”報道で謝罪の都玲華(21)、「サバい〜」SNSに投稿していた親密ショット…「両親を悲しませることはできない」原点に立ち返る“親子二人三脚の日々”
NEWSポストセブン
ガーリーなファッションに注目が集まっている秋篠宮妃の紀子さま(時事通信フォト)
《ただの女性アナファッションではない》紀子さま「アラ還でもハート柄」の“技あり”ガーリースーツの着こなし、若き日は“ナマズの婚約指輪”のオーダーしたオシャレ上級者
NEWSポストセブン
世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン