エステでよく利用される海泥パック Thinkstock/Getty Images
平日を挟んで前半と後半に別れる2013年のゴールデンウィーク。ジェイティービー(JTB)がとりまとめた旅行動向調査によれば、海外ではハワイやシンガポール、タイ、台湾が、国内では首都圏、関東が人気で、大河ドラマの舞台となった会津も注目されているという。春の旅行を楽しんだあとに残るのは楽しい思い出だけではなく、疲れに日焼け、髪焼けというのが悩みの種。そこで注目したいのが、疲れや汚れを落としながら、ハリも出るナチュラル素材“海泥”だ。
「海泥を利用した施術は、とても安定した効果が得られるため、特にフランス式のリンパドレナージュなどを行っているエステでは王道のメニューです」と話すのは、元エステティシャンで美容エディターの藤井優美さん。
海水や海泥など、海のエネルギーを利用した療法といえば、“タラソテラピー”が有名。日本に広まったのは1970年代のことだ。
「ヨーロッパでは古くから、特に呼吸器系や皮膚の疾患に対して、海のエネルギーの効果が認識されていました。すでに19世紀には、地中海沿岸を中心に多くの療養施設が建設されました」と、城西国際大学環境社会学部教授で、タラソテラピーなどに詳しい川口健夫さんは解説する。
今では日本でもエステだけでなく、海泥などを配合した美容商品が多数発売されているほど、美容の分野ではすっかりおなじみだ。
では、海泥の美容効果はどのようなものなのか?
「まず、海泥には、塩化ナトリウム、マグネシウム、カリウムなどのミネラルがとても豊富。そのミネラルの比率が、人間の血液や体液の組成ととても近いのも特徴です。
主な美容効果としては、肌の毛穴の老廃物を吸着して除去するなどの洗浄効果や、肌にハリをもたせる効果があります。頭皮や髪も肌の一部ですから、洗浄効果など同様の効果が期待できます。特に頭皮はミネラルを通しやすいので、毛根などにもよい作用があると思います」(川口さん)
このように肌や髪にさまざまな美容効果をもたらす海泥だが、なかでも“くちゃ”と呼ばれる沖縄の海泥は吸着作用が強いことで有名。
「沖縄の海泥は、はるか昔に中国大陸の黄土高原から飛来した黄砂が、沖縄近海の海底に堆積した後、海底隆起によって出現したもの。中国から沖縄まで飛んでくると言うことは特別細かい黄砂。海泥の粒子が小さいと、肌に触れる表面積が大きくなるので、老廃物などの吸着作用が強くなります」(川口さん)
藤井さんも海泥を利用したエステや美容商品を利用することがあるという。
「ミネラルの効果で肌がしっとりすべすべになります。体を温め代謝をよくする作用もあるので、定期的に利用すると肌のターンオーバーを正常化してくれます。特に、加齢によって代謝が悪くなる40代以上の女性にはおすすめですね」(藤井さん)
人気のナチュラル素材、海泥だが、わざわざサロンで施術を受けなくても、家でも使えるアイテムがそろっている。海泥パックの「綺羅美肌」(120グラム、1890円、ソフィアワールド)、沖縄産海泥など複数の成分から成る海泥ミネラルEX※配合の「シエロ カラートリートメント」(オープン価格、ホーユー)で傷んだ髪を補修しながら白髪を染められる。(※沖縄産海泥(海シルト)、ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム)
自然のエネルギーがたっぷり詰まった海泥は、ナチュラル志向の高まりで注目されている。老廃物やエイジングが気になるオーバー40の強い味方になりそう!