スポーツ

カブトガニ似の声もある新国立競技場がコンペで選ばれた理由

 いつの間にか、決まっていた感のある新国立競技場のデザイン。2020年東京五輪のメインスタジアムのあまりの奇抜さに違和感を覚えた方も多いと思うが、五輪開催が本決まりになると、予想通り非難の声が出始めている。

「自転車のヘルメットみたい」「カブトガニかと思った」と盛り上がるネットだけではない。専門家からも疑問の声があがり始めた。世界的な建築家・槇文彦氏は、朝日新聞の取材にこう答えている。

〈緑豊かで歴史的文脈の濃密な風致地区です。そこに、あのような巨大な建物を造ろうという計画自体が基本的に間違っています〉

 芝浦工業大学特任教授で建築家の金田勝徳氏もこういう。

「問題は景観との調和。銀杏並木や歴史的建造物などが立ち並ぶ中に、突然無機質なUFOのような建築が現われるわけですから、違和感を覚える人もいるでしょう」

 デザインは昨年11月のコンペで選ばれたもので、建築家はイラク出身のザハ・ハディド氏。建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を女性で初めて受賞し、いま最も注目を浴びる建築家である。

 ちなみに最終選考に残った11作品を見ると、中には神宮の杜と調和しそうなものも。もっともコンペの募集要項には〈地球人にとっての希望の象徴となるべきデザイン〉という大きなお題目があり、景観との調和は、はなから重視されていなかったのかもしれないが。建築評論家の五十嵐太郎氏がいう。

「世界中で20億人ともいわれる人が同時に見る建物ですから、より目立つもの、メディア的に映えるものを選んだのだと思います」

 海外では市民の声で結果が覆ったことも。神宮の杜の行方は?

※週刊ポスト2013年10月18日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
今回のドラマは篠原涼子にとっても正念場だという(時事通信フォト)
【代表作が10年近く出ていない】篠原涼子、新ドラマ『イップス』の現場は和気藹々でも心中は…評価次第では今後のオファーに影響も
週刊ポスト
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
韓国2泊3日プチ整形&エステ旅をレポート
【韓国2泊3日プチ整形&エステ旅】54才主婦が体験「たるみ、しわ、ほうれい線」肌トラブルは解消されたのか
女性セブン