ヨルダンに入ったメンバーは、シリア難民の妊婦さんの出産を無事終わらせ、退院した後は、食料・衣類の供与を続けている。
今回は、石巻だけではなく福島大学からも支援が入ることになった。JIM-NETが間に入り調整をすると、教授と学生たちが独自に衣類を集め、わざわざ手持ちで難民キャンプに届けてくれた。ヨルダンは、東日本大震災のとき、義捐金の支援や医師を派遣して救援を行なってくれた。メンバーたちは日本にやってきた医師とも再会し、お互いに助け合う関係を再確認したとか。
ぐるぐると、絆が回り始めた。
シリアに隣接するイラクにもたくさんの難民が入ってきた。僕たちは5年前からイラクの北部アルビールに事務所を構えているが、この町の郊外にも難民キャンプができた。いまは5万人が収容されている。難民に衣類や食料を配給し、女性たちが自立できるように羊毛を使った手工芸のワークショップも立ち上げた。現金収入が入るようにとの配慮である。
イラクの白血病の子、福島の被災地の子、シリアの難民の子──助ける必要がある子どもたちは世界中に星の数ほどいるのだ。
※週刊ポスト2013年12月20・27日号