2006年、鹿島アントラーズの小笠原満男は、柳沢と入れ替わるように、メッシーナに入団。レッジーナとの“海峡ダービー”で、1対0とリードした後半8分に投入され、デビューを果たす。6分後に、マイナスからのクロスに頭で飛び込むも、ヘッドは惜しくもGKに弾き返された。小笠原は結局、1シーズンでセリエAに去っている。
このように、過去にセリエAのデビュー戦で、ポストに好かれ過ぎるなど惜しくもゴールを逃した日本人選手は、そのまま活躍することなくチームを去ったケースが多い。逆に、開幕戦で得点を挙げた中田英寿や森本貴幸は長らくセリエAに在籍した。開幕戦で負傷交代した三浦知良を皮切りに、過去に9人の選手がイタリアでプレーをしているが、在籍最長年数1位は中田と森本の7シーズンとなっている。
デビュー戦で『点を入れた選手』と『惜しいシュートを放った選手』では、これほどまでに明暗が別れているのだ。とはいえ、本田はモスクワリーグで実績を残し、伝統のあるACミランに背番号10で迎え入れられた男。あと数センチ…わずかな差を、いつまでも悔やむようなことにはならないはずだ。