日本は否定すべきは否定して、毅然と応じなくてはならない。

 21世紀初頭、世界は米中の「G2の時代」に入ると言われていた。しかし、中国という国は南京大虐殺のようなホラ話を世界に広め、日本の尖閣諸島や南沙諸島や西沙諸島の領有を主張するなど、近隣諸国との間で軋轢を生み続ける有り様で、グローバルなリーダーたる資格などない。

 私はむしろ、政治学者のイアン・ブレマー氏が、『「Gゼロ」後の世界』(日本経済新聞出版社刊)で予見したように、グローバルなリーダー不在の中で調停機能が失われ、アジアや中東で地政学的な対立が激化するGゼロの時代に突入すると見ている。

 新たな世界で日本はどのように生き残っていくべきか。

 私は東日本大震災の後、復興のために力を尽くしている若者たちに会い、彼らのなかに今も日本精神が息づいていることを感じ取った。日本人は世界のどこにもない優れた精神文化をもっていることに自信を持っていい。

 問題は日本の指導者たちで、物事を大局的に捉え、国の進むべき方向を決められる政治家がいないことである。しかし、私は心配していない。日本の若者のなかから新たなリーダーが現われると信じている。

※SAPIO2014年2月号

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