国内

NHK籾井勝人会長 幹部職員の間で辞任スケジュール取り沙汰

 いまや職員の口からも「もう籾井会長はもたない」といった声が公然と聞かれるようになったNHK。実際、幹部職員の間では、籾井勝人氏の辞任スケジュールが取り沙汰されている。

「現在、NHKの平成26年度予算案は総務委員会に提出されただけで、審議にすら入っていない状態。年度末が目前に迫っているのに、これは異常事態だ。早急に何とかしなければならない。

 しかし、NHK予算は過去、野党の反対を押し切って与党過半数だけで成立させたことは1度しかない。国民の受信料で成り立つ公共放送という性格上、国会で広範な合意を得ずに強行採決で突破するスタイルは馴染まないからだ。

 今回は民主党が中心になって野党が井追及に必死の様子だから、いまのままでは予算が簡単に通らないのは目に見えている。そこで、野党の賛成と引き換えに、籾井会長が辞任するというシナリオが有力だ」(前出・NHK幹部)

 年度内に予算案の衆院通過の目途が立てば、今月にも籾井氏辞任の可能性が急浮上するということだ。

「元プロデューサーによる番組制作費横領事件など相次ぐ不祥事の発覚で、2005年に辞任した海老沢元会長のケースも同じで、予算成立と会長辞任が交換条件として当時の与野党が合意していた。

 今回もこの前例を踏襲して、籾井会長の出処進退をかけて、とにかく1日でも早く予算を通すことが、至上命題になっている」(同前)

 だが、籾井氏が会長職を辞任すれば、その後にはもっと大きな混乱がNHKを待ち受けている。籾井氏が辞めれば、浜田経営委員長も辞任せざるを得ないだろう。会長職の任命権者は経営委員会にあるため、当然、浜田氏は任命責任を問われることになるからだ。しかも、それだけで済みそうにもない。中堅職員がいう。

「局内の雰囲気としては、経営陣の内ゲバを見てきたことで“籾井氏が辞めれば、喧嘩両成敗で理事も総退陣”という声が強い。そうでもしなければ局内を覆う不信は払底できず、新しいNHKに生まれ変わることもできない」

※週刊ポスト2014年3月21日号

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