国内

小保方会見 「最もゲスな質問」についてベテラン記者が検証

 4月9日、STAP細胞についての論文を巡る小保方晴子氏の記者会見が開かれた。報道関係者が200人以上集まり、2時間半にも及ぶ会見では、下世話な質問も飛んだ。なぜ記者はそんな質問をするのか、フリーライター歴25年の神田憲行氏が考える。

 * * *
 小保方さんの記者会見ではさまざまなジャンルの記者から質問が飛び交っていて、実に興味深かった。職業柄「この質問はいい」「これはダメ」とか勝手にジャッジしながら見ていたのだが、いちばんダメな典型が「説教型」だろう。記者会見を自分の意見の開陳の場と勘違いしているタイプで、残念ながらわが陣営の「フリー」系の人に多いような気がする。記者会見では司会役の代理人弁護士から質問を遮られたのも当然と思う。

 「喧嘩腰」で質問する記者もいた。自らの疑惑についてのらりくらり答弁する政治家や公務員相手に、「あんたがやったことの重大性」をわからせるためにいきなり胸ぐら掴むような質問のやり方はある。だがこの場合はむしろ小保方さんに答えにくさだけしか残さなかったのではないか。中継されているネットを通じて記者の所属メディアも周知されるので、一般的にもマイナスイメージしかないと思う。

 面白かったのは、「喧嘩腰」記者に続いて司会に指名されたのが偶然にも同じ所属メディアの記者で、たぶん年配らしい彼は「僕は少し優しく聞きます」とソフトな口調で質問しだしたことだった。彼は前の「喧嘩腰」記者(声から判断すると若い記者だと思う)の質問の仕方を苦々しく感じていたのか。取材現場で同僚をたしなめるというか、当てこするのは珍しい。彼の口調はソフトだが質問は的確で、司会からあらかじめ「質問はひとつ限り」と制限されていたのに複数回許されていた。

 会見でもっとも「ゲスい」瞬間は、大阪のスポーツ紙記者がしたこの質問だろう(引用は毎日新聞HPから)

《--笹井氏と不適切な関係にあったと報道されている。どう感じたか。

 小保方 そのようなことはありませんし、そのような報道が出て本当に戸惑っております。

--ホテルなど、理研の給料だと考えられないような生活をしていた。

 小保方 そのホテルもそうですが、ホテルで生活をというか、滞在をしていたころは、ハーバードの研究員だったので、その旨の出張での滞在です。》

 ゲスい。ゲスいけど、自分もそこにいたらしたかもしれないなあ。ひとつ目の「関係」については私でもしない(してもまともに答える可能性がないから)。するとしたら

「一部報道にありましたが、どなたかのセクハラを会社に報告されましたか」

 かなあ。ふたつ目のホテル云々は、小保方さんの回答に驚いた。報道によるとホテル代は年間で500~600万円という。ハーバード大学というところは、教授でもない人の出張旅費をそこまで負担するのだろうか。たいした大学である。

関連キーワード

関連記事

トピックス

近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
【エッセイ連載再開】元フジテレビアナ・渡邊渚さんが綴る近況「目に見なえい恐怖と戦う日々」「夢と現実の区別がつかなくなる」
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』が放送中
ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』も大好評 いつまでのその言動に注目が集まる小泉今日子のカッコよさ
女性セブン
事務所独立と妊娠を発表した中川翔子。
【独占・中川翔子】妊娠・独立発表後初インタビュー 今の本音を直撃! そして“整形疑惑”も出た「最近やめた2つのこと」
NEWSポストセブン
名物企画ENT座談会を開催(左から中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏/撮影=山崎力夫)
【江本孟紀氏×中畑清氏×達川光男氏】解説者3人が阿部巨人の課題を指摘「マー君は二軍で当然」「二軍の年俸が10億円」「マルティネスは明らかに練習不足」
週刊ポスト
田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン