本誌は今年1月以降に中長期投資を主体とする主な海外の運用業者が提出した大量保有報告書を調査した。

 株式市場ではヘッジファンドを中心に海外勢の売り浴びせばかりが話題を集めてきたが、それらを除いた長期投資家の動向を見ると、様相は異なってくる。特に今年に入ってから新規保有や買い増しを報告する提出件数が伸びており、4月は1月までのペースの3倍超に急増している。

「消費増税の影響から4~6月期は株価下落という見方で一致しているが、10%への消費税引き上げの判断材料となる7~9月期は何としても景気を上向かせる必要があると財務省は考えている。そうなれば株価上昇は必至であり、上がる前に仕込もうとする買いが入っているのです。この動きは株価が底値圏へと向かう6月にかけて本格化するでしょう」(前出・真壁教授)

 国内外の株式市場に詳しい戸松信博氏(グローバルリンクアドバイザーズ代表)も、次のような見方をする。

「米国が緩和縮小に舵を切ったのとは対照的に、日本が追加金融緩和に踏み切るという期待は依然として外国人投資家の間で根強い。ましてや今年の日本企業の増益率は米国企業よりも高い見通しであるため、割安な日本株の魅力は相対的に高まっています」

※週刊ポスト2014年5月23日号

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