スポーツ

日本代表決戦の地でも工事続行中 施設完成に真顔で驚く人も

ギリシャ戦が行われるナタールのスタジアム

 史上最強の日本代表、の命運はまだわからない。とにもかくにも、歴史を見届けるべく決戦の地に飛んだスポーツライター・竹田聡一郎氏が現地からレポートする。

 * * *
 ネイマールの2ゴールとブラジルの勝利で幕開けし祭典が始まった、気がするのだが、ブラジル国内は依然としてスタジアム、周辺インフラ、ホテルなど、全土で絶賛工事中である。

 日本代表の次戦の地ナタールも、 スタジアム「アレナ・ダス・ドゥナス」こそ完成しているが、周辺道路、特にスタジアムの西側や北側は工事現場そのものであって、6月に入ってもダンプが右往左往していた。そしてすぐ脇で大勢の青やオレンジのつなぎを着た作業員が日陰で寝てたり、アイスを食べたりしていた。

「これ、試合までに終わるの?」
「さあ。俺には分かんないよ。だって暑いし」

 それでもカメラを向けると嫌な顔ひとつしないでポーズを決めてくれるのがブラジル人。なんだ、何に載るんだとか心配しないでいいから仕事しろ。

 さらにナタールは、元々4月に開港予定だったサンゴンサーロ・ド・アマランテ新空港が5月末日に駆け込み稼働を始めた。が、それは文字どおり発着を始めただけであって、空港に向かう道や周辺は荒れ地と形容しても誰も怒らないくらい手つかずの状態だ。一説にはジルマ・ルセフ大統領が「空港がワールドカップに間に合うことを保証します」と宣言したので、その影響で無理くり開港したのでは、とも。

 空港設備などはまだ半分未満の使用状況で、様々な場所で工事は続けられているのだが、ここでもブラジル人は適度にサボっていた。「とりあえずヒコーキは飛んでるんだから、設備なんてゆっくり作ればいいだろ」という態度がミエミエである。使用空港変更で時間がスライドされた便も少なくないので、ナタール発着のあるサポーターは今一度、eチケットの確認をオススメする。

 第3戦の地クイアバは、スタジアム「アレナ・パンタナル」の建設の遅れが12会場でもワーストに近い状態だったが、5月に入り建設にさらなる資金を追加し、なんとか間に合ったという発表があったばかり。

 実際、本当にギリギリだったようでセントロのホテルの従業員に開幕2日前のスタジアム写真を見せると「すげえな、できたのか!」と真顔で驚いていたから諦めていた人も少なくなかったのではないか。

「これでクイアバはエブリシングOKだよ」とそのホテルマンは喜んでいたが、そんなことはない。空港から街への足が未整備だ。総予算15億レアル(1レアルは6月15日現在46円)、全長22キロのVLT(Veiculo Leve sobre Trilhos/都市型旅客鉄道)のワールドカップまでの建設が間に合わなかった。これによってサポーターの市内への足はタクシーか、旅慣れていないとなかなか使えないローカルバスとなる。

 当局は5月までの工事の進行を「50%程度」とし12月に開業式を行うと発表したが、「なお完成は15年1月になることもある」という謎の一文も添えられたとか。VLTの空港駅、早々に諦めたとあってここには作業員は誰もいなかった。

関連記事

トピックス

真美子さんが“奥様会”の写真に登場するたびに話題に(Instagram /時事通信フォト)
《ピチピチTシャツをデニムジャケットで覆って》大谷翔平の妻・真美子さん「奥様会」での活動を支える“元モデル先輩ママ” 横並びで笑顔を見せて
NEWSポストセブン
「全国障害者スポーツ大会」を観戦された秋篠宮家・次女の佳子さま(2025年10月26日、撮影/JMPA)
《注文が殺到》佳子さま、賛否を呼んだ“クッキリドレス”に合わせたイヤリングに…鮮やかな5万5000円ワンピで魅せたスタイリッシュなコーデ
NEWSポストセブン
クマによる被害が相次いでいる(左・イメージマート)
《男女4人死傷の“秋田殺人グマ”》被害者には「顔に大きく爪で抉られた痕跡」、「クラクションを鳴らしたら軽トラに突進」目撃者男性を襲った恐怖の一幕
NEWSポストセブン
遠藤
人気力士・遠藤の引退で「北陣」を襲名していた元・天鎧鵬が退職 認められないはずの年寄名跡“借株”が残存し、大物引退のたびに玉突きで名跡がコロコロ変わる珍現象が多発
NEWSポストセブン
本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《スイートルームを指差して…》大谷翔平がホームラン後に見せた“真美子さんポーズ”「妻が見に来てるんだ」周囲に明かす“等身大でいられる関係”
NEWSポストセブン
相撲協会と白鵬氏の緊張関係は新たなステージに突入
「伝統を前面に打ち出す相撲協会」と「ガチンコ競技化の白鵬」大相撲ロンドン公演で浮き彫りになった両者の隔たり “格闘技”なのか“儀式”なのか…問われる相撲のあり方
週刊ポスト
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《「策士」との評価も》“ラブホ通いすぎ”小川晶・前橋市長がXのコメント欄を開放 続投するプラス材料に?本当の狙いとは
NEWSポストセブン
女性初の首相として新任会見に臨んだ高市氏(2025年10月写真撮影:小川裕夫)
《維新の消滅確率は90%?》高市早苗内閣発足、保守の受け皿として支持集めた政党は生き残れるのか? 存在意義が問われる維新の会や参政党
NEWSポストセブン
滋賀県を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月25日、撮影/JMPA)
《すぐに売り切れ》佳子さま、6万9300円のミントグリーンのワンピースに信楽焼イヤリングを合わせてさわやかなコーデ スカーフを背中で結ばれ、ガーリーに
NEWSポストセブン
送検のため奈良西署を出る山上徹也容疑者(写真/時事通信フォト)
《安倍晋三元首相銃撃事件・初公判》「犯人の知的レベルの高さ」を鈴木エイト氏が証言、ポイントは「親族への尋問」…山上徹也被告の弁護側は「統一教会のせいで一家崩壊」主張の見通し
NEWSポストセブン
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン