ビジネス

国産掃除機「スマホ連携&楽しさ演出」でブランド外資に対抗

 掃除機といえば、吸引力をアピールしたCMの印象が強いダイソンやお掃除ロボットのルンバなど、このところ外国メーカー製品がまず思い浮かぶ。国内家電メーカーが発売する掃除機はどうかというと、イメージではダイソンやルンバに押され気味だが、実際はそれらを上回る基本性能と使いやすさをあわせ持つだけでなく、スマホ連携や音楽再生といった付加機能がついた製品が登場している。

 たとえば、昨秋から発売されているパナソニックの掃除機「MC-HS700G」はコードレスでも使用でき、家庭用蓄電池にもなる。USB給電ポートがあってスマートフォン等へ充電可能だ。シャープのお掃除ロボットCOCOROBO(ココロボ)は今年3月にファームウェアがアップデートされたことで、音楽再生機能が追加された。さらに、発売されたばかりの三菱電機のサイクロン式掃除機「風神」の新機種では、掃除中の消費カロリーや運動量をスマートフォンで確認できる。

 家電コンシェルジェの神原サリーさんによれば、これら新機能は直接、購入のきっかけになることはなく、家電のつくり方が変化しつつあることの現れだという。

「家事についてアンケートを取ると、アイロンと並んで掃除はワースト1位、2位を争っています。そのため、嫌いな掃除が少しでもストレスなくできるようにと家電メーカーも工夫を凝らしてきました。ロボット掃除機やコードレススティック掃除機の人気もこうした流れのひとつでしょう。また、スマートフォンと連携できる“スマート家電”が掃除機にまで広がっているのも達成感が得られて楽しくなるようにと考えられてのことです。

 とはいえ、スマホはアプリがあってこそ動くもの。そのスマホと連携する機能はハードではなくソフトを重視するので、ハードの性能を追求してきた白物家電の作り方や考え方が変わってきたともいえます。何が正しいのか答えはまだ出ていないので、まず付加機能でスマート家電の掃除機に親しんでもらおうとしている段階です。ゆくゆくは、スマホで操作するだけで、掃除機が階段をのぼって自動的に家じゅうを掃除する時代が来るかもしれません」

 旧来の掃除機からは想像がしづらいため、どうしても付加機能に注目が行きがちだ。しかしそれらは、各社とも性能がもっとも高い機種につけられている。

「キャニスター型掃除機といえば吸引力が重視された時代のイメージが強いですが、今は吸引力を強めたまま、ヘッドが軽く細くなり、取り回しが格段によくなっています。充電池が進化したおかげでコードレス化が可能になり、コードが絡まるイライラやコンセントへの抜き差しの手間も解消されました。各メーカーが付加機能をつけているのは、基本性能に自信がある機種だからこそ。基本をしっかり押さえた上で、高機能を求めるユーザーにどのように受け入れられるのか探っているのだと思います」(前出・神原さん)

 多くの消費者にとって、家電を買うとき日本のメーカーを無条件に選んだのは過去のことになりつつある。新機能や派手な宣伝に踊らされ、掃除機については外国メーカーの新機種のほうが高性能ではないかというイメージがあるほどだ。

 しかし、吸引力を比べると、実際には日本メーカーの掃除機が上回ることが多い。さらに本体重量も軽くて小回りがきき、しかも動作音が静かだ。基本性能はもちろん、使い勝手も含めて依然、日の丸家電は世界トップレベルであり続けている。

トピックス

大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《ハワイ別荘・泥沼訴訟を深堀り》大谷翔平が真美子さんと娘をめぐって“許せなかった一線”…原告の日本人女性は「(大谷サイドが)不法に妨害した」と主張
NEWSポストセブン
世界的な人気を誇るシンガー・d4vd(20)(Instagramより)
「行方不明の10代少女のバラバラ遺体が袋詰めに」世界的人気歌手・d4vdが所有する高級車のトランクに遺棄《お揃いのタトゥー「 Shhh…」で発覚した2人の共通点》
NEWSポストセブン
須藤被告(左)と野崎さん(右)
《紀州のドン・ファンの遺言書》元妻が「約6億5000万円ゲット」の可能性…「ゴム手袋をつけて初夜」法廷で主張されていた野崎さんとの“異様な関係性”
NEWSポストセブン
神田正輝の卒業までに中丸の復帰は間に合うのか(右・Instagramより)
《神田正輝の番組卒業から1年》中丸雄一、『旅サラダ』降板発表前に見せた“不義理”に現場スタッフがおぼえた違和感
NEWSポストセブン
イギリス出身のボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
「タダで行為できます」騒動の金髪美女インフルエンサー(26)の“過激バスツアー”に批判殺到 大学フェミニスト協会は「企画に参加し、支持する全員に反対」
NEWSポストセブン
ラーメン店の厨房は暑い(イメージ)
《「汗を落とすな」「清潔感がない」》猛暑で増えた「汗クレーム」 熱湯で麺を茹で上げるラーメン店やエアコンが使えないエアコン取り付け工事にも
NEWSポストセブン
主人公・のぶ(今井美桜)の幼馴染・小川うさ子役を演じた志田彩良(写真提供/NHK)
【『あんぱん』秘話インタビュー】のぶの親友うさ子を演じた志田彩良が明かすヒロインオーディション「落ちた悔しさから泣いたのは初めて」
週刊ポスト
寮内の暴力事案は裁判沙汰に
《いまだ続く広陵野球部の暴力問題》加害生徒が被害生徒の保護者を名誉毀損で訴えた背景 同校は「対岸の火事」のような反応
週刊ポスト
どんな役柄でも見事に演じきることで定評がある芳根京子(2020年、映画『記憶屋』のイベント)
《ヘソ出し白Tで颯爽と》女優・芳根京子、乃木坂46のライブをお忍び鑑賞 ファンを虜にした「ライブ中の一幕」
NEWSポストセブン
俳優の松田翔太、妻でモデルの秋元梢(右/時事通信フォト)
《松田龍平、翔太兄弟夫婦がタイでバカンス目撃撮》秋元梢が甥っ子を優しく見守り…ファミリーが交流した「初のフォーショット」
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《即完売》佳子さま、着用した2750円イヤリングのメーカーが当日の「トータルコーディネート」に感激
NEWSポストセブン
国連大学50周年記念式典に出席された天皇皇后両陛下(2025年9月18日、撮影/JMPA)
《国連大学50周年記念式典》皇后雅子さまが見せられたマスタードイエローの“サステナブルファッション” 沖縄ご訪問や園遊会でお召しの一着をお選びに 
NEWSポストセブン